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「TUZIEのミニバス考」
ミニバスケットボールの単独校制度について考える

 ミニバス関連の記述は、2007~2008年にかけて主に書いたものです。30年ぶりに見る機会のあったミニバスの運営って、とっても変だなーと思って、いろいろな事を調べたり、いろいろな所に質問等している間に、長々とした文章にを書いてしまいました。元々ミニバスとは無関係なのですが、いくつか文章は残しておきます。

 文部科学省・日本体育協会などの全国的なスポーツ関連の上部組織をはじめ、県外のバスケットボール関係者の方や、秋田県の教育長・バスケットボール組織の幹部まで、様々な部門や人と文書を交わしましたが、ここでは、秋田県の制度についての私なりの考察だけを残すことにしました。

 注)ミニバスは制度や運営が地域により大きく異なっておりますので、地域により違いがあり様々な状態があるようです。

 注)2009年以降、文章の手直しは致しません。


 子育ての中で触れる機会のあったミニバスケットボールの世界について、いろいろと考えさせられました。秋田のミニバス特有の運営についても、少しずつわかってきました。2007年現在の私のミニバス考におつき合いくださいませ。

【チーム登録制度】
 ミニバスのチーム登録制度は、単独校を基本にしています。チーム登録の原則は、単独学区の児童で構成されたものとなっているのです。この点について人に話をすると、私の経験ではほとんどの場合 「何で今どき・・。古くさい・・。時代遅れ・・。」  と言った反応があります。時代に則した制度とは言えないのではないかと、私も思っております。現在の社会情勢の中での、単独校の枠組みの意義やねらいが、正直なところ私にはわかりません。正式な規約は、下記の日本ミニバスケットボール連盟のページにあります。

日本ミニバスケットボール連盟

●加盟規約・加盟方針などの解説ページ
 (日本ミニバスケット連盟のHP内)


 (私はミニバスの登録制度を 「単独校主義」 と表現しています。わかりやすい表現ではないかと思われますので、これから先の文章でもときどき「単独校主義」という単語を使わせて頂きます。)

 加盟方針のページを見ると、いくつかの条件を挙げながら、複数の学区の児童が混ざることを認めております。文章にはややあいまいなところが感じられますが、各地区の連盟の弾力的な制度の運用を認めている内容だと思われます。

 実際のところ、全国には学区の混ざったクラブチームはたくさん存在します。そして、全国大会にも、複数学区の混ざったクラブチームは出場しています。ただし、5学区以上の児童が登録されているチームは全国大会出場できないことになっています。全県大会に優勝したチームが、5校以上の学区の児童で構成されているために、全国大会に出場できないと言う事もあるようです。5校問題と言われているそうです。この制度は、ミニバスに取り組む子供たちにとって、望ましいものなのでしょうか。

 秋田ではどうかと言いますと、どうも学区の混ざったチームがほとんど無いようなのです。学区の混ざったチーム登録を基本的に認めないという事です。他の地域では、かなり緩やかに適用されている例もたくさん見られる単独校の制度が、秋田ではかなり厳格に運用されているようなのです。

 ミニバス連盟の現在の加盟規約は平成5年に制定されたものです。もう14年前のものです。加盟方針は平成9年に制定されています。こちらも10年経ちました。

 ここで、平成7年から10年間の児童数の推移のデータを紹介いたします。平成7年に全国の小学校の児童数は、約837万人でした。そして平成17年には約719万人に減っています。わずか10年で約118万人も、小学校の児童数は減ったのです。時代は移り変わり、小学校の児童数が減っているのに、ミニバスの制度はそのままでも大丈夫なものなのでしょうか。ちなみに昭和56年の戦後2番目の児童数のピーク時には、約1192万人の児童数がありましたので、その時と比べると平成17年の児童数は4割も減った事になります。

 さて、世の中にはいろいろな制度や決まりが存在しますが、国や都道府県などの定める決まりの数々でさえも、毎年のように何かが変化しています。世の中の動きやニーズに合わせて、変わっていくものなのです。ミニバスの対象となる小学校の児童数が大幅に減ってきており、またそのほかの社会情勢もどんどん変わってきております。ミニバスの制度も、より良いものに変わって行く弾力的なものである必要があるのではないでしょうか。

 平成7年から平成17年までに、全国で減った118万人の児童数。少子化傾向があらかじめわかっている中で定めた単独校の枠組みが、その後どのように検証されてきたのか、今現在そして今後に課題はないのか、それらを示す資料を私は知りません。ミニバスの当事者である児童とその親に対して、広くわかりやすい形で、ミニバス連盟は制度の理念や今後の展望を語りかけても良いのではないでしょうか。



 ここで、平成18年度の秋田市の各小学校の児童数を紹介いたします。

平成18年度 秋田市立小学校の全校児童数
保戸野  295 太平   54 八橋  505
明徳  327 (木曽石)    8  573
築山  525 山谷   33  617
旭北  372 外旭川  644 大住  849
中通  264 飯島  625  837
旭南  475 下新城  137 飯島南  579
牛島  541 上新城   52 寺内  439
川尻  505 浜田  117 御所野  684
旭川  626 豊岩   78 岩見三内  100
土崎  257 仁井田  820 赤平   31
港北  725 四ツ小屋  378 川辺  206
土崎南  319 上北手  145 戸島  129
高清水  434 下北手  137 川添  162
広面  548 下浜  117 種平   27
日新 1031 金足東   21 戸米川   80
勝平  802 金足西  178 大正寺   53
(秋田大学附属小学校の児童数は、645名。)

 上記の数字を見て、何をお感じになるでしょうか。

 児童数が1000人を越える小学校と、30人しかいない小学校が、どちらも単独校チームを編成して大会に出場しなくてはならないと言うのは、いかがなものでしょうか。

 例えば全校児童30人の内訳を男女15人ずつだと仮定して、女子のクラブを作ろうとした場合、1~6年生までの全校で15人の対象者の約70%に当たる 10人にミニバスに入ってもらって活動するというのは、現実的なことでしょうか。人数を確保するのもきわめて難しい問題になるはずです。低学年と高学年が、接触プレーの多いミニバスを本気でプレーすることにも問題があるでしょう。同じ運動強度の練習をすることも無理なはずです。

 逆に全校児童1000人の学校を考えると、女子クラブの対象になる女子生徒を500人と仮定した場合、10人という人数はわずか2%にすぎません。 10%の人数が入ると50人。こうなると今度は、一つのクラブから大会のトーナメントに複数チームのエントリーをする制度が必要になることもあるかもしれません。(サッカーなどにはこのような制度があります。)

 学年構成などは考慮しない単純でわかりやすい数字を例に挙げて書いてみましたが、制度と現実のバランスの悪さを感じないでしょうか。クラブのあり方を柔軟に考え、チーム登録の制度を見直して行かなくては、この不均衡・不公正な状態から次の時代に続くより良いクラブを構築していくことは、難しいことなのではないでしょうか。

 また、チームの合体に関しては、学校の1学年のクラスが1つでなくてはならないとか、隣の学校同士でなくてはならないとか、そういう条件があるようだという話しを聞いたことがあります。ミニバス連盟の加盟方針には、「近隣の同一条件校」と表記されているので、秋田での条件の詳細は私にはわからないのですが、現実には単独校チームの制度の適用が厳格なようです。実効性を確保するためにも、条件付けが厳しすぎることのないようにと願っております。




 もう少し数字を挙げておきます。

 2004年の秋田県の出生率は、人口1000人に対して6.9人で、全国最下位です。
 2004年の秋田県の年少人口割合(15才未満)は12.3%で、全国で下から2位です。
 (最下位は東京ですので、実質的には全国最下位と言えるのかもしれません。)

 2004年の秋田県の老齢人口の割合は26.0%、で多い方から2位です。
 2004年の秋田県の人口減少率は全国で最も高く、人口減少率1位です。
 2004年の秋田県の合計特殊出生率は、1.30です。
 
 人口減少と高齢化が全国最速レベルで進み、年少人口が全国でもっとも低下傾向にある。これが秋田です。

 いくつかの統計の数字を見ただけでも、単独校主義のミニバスの制度の限界が見て取れるように思うのです。単独校の枠組みは、少子化・児童数の減少などの今日の課題に対応できる制度なのでしょうか。私は、一日も早くミニバスのチーム登録制度は改善されるべきではないかと思っております。年少人口が全国で最も少ない県の一つだからこそ、率先して柔軟な制度で運営されるべきだと思うのです。

 他にもいくつかの観点からミニバスについて私なりに考えたことを、以下に書いてまいります。それぞれが関連していることですので、内容が重複してしまい、繰り返し同じようなことを記述する部分が出てくると思われますが、お許しくださいませ。




【クラブチーム】
 ここで、クラブチームというものについて、少し考えてみたいと思います。まず、ミニバスのクラブは、秋田ではほとんどスポーツ少年団の形態で運営されています。全国的にも、スポーツ少年団であることは多いと思われますが、現在も学校の部活として活動しているところや、スポ少・学校の部活以外の他の形態の運営組織で運営されている地域もあるそうです。

 スポーツ少年団という制度は、地域のスポーツクラブという位置づけです。学区の規制はありません。対象も小学生から高校生までと広いものです。

 対象が小学生から高校生までですから、学区という考え方自体がスポーツ少年団にはもともとないのです。小学校の学区と中学校の学区は違います。そして高校には小中学校のような学区の考え方はありません。学区の制限は、それぞれのスポーツ少年団が独自に決めるものです。
 
●日本スポーツ少年団についてはこちら。

 日本体育協会の傘下に日本スポーツ少年団があります。その下に、各都道府県のスポーツ少年団があります。またその下に、市町村のスポーツ少年団があります。そしてその下が、私たちがいつもスポ少と言っている、単位団である各スポーツ少年団です。スポーツ少年団という言葉は、単位団を指す時もありますし、国・都道府県・市町村レベルでのスポーツ少年団を指す場合もあると言うことになります。

 スポーツ少年団は、「一人でも多くの青少年にスポーツの喜びを!」 「スポーツを通じて青少年のからだとこころを育てる組織を地域社会の中に!」 という願いをもとに設立されたそうです。おそらくその導入期に学校が主導したからなのでしょうか、学校の部活のイメージが私にはありました。事実、私が子供の頃にはほとんど毎日の練習を、学校の先生が指導してくださいました。

 現在では、学校体育とは切り離された社会体育という位置づけになっております。県のスポーツ少年団が編纂した冊子 「スポーツの楽しさと豊かさを求めて」 の中でも、社会体育であるという事がうたわれております。その中で、社会体育であることによって、競技専門の指導者が確保され、学校の教員の負担が軽減されるという事が書かれています。しかし、同じ本の別の箇所には、指導者不足の観点などから、学校も地域の一員と考えて、教員にスポ少への協力を依頼する書類が紹介されています。同じ冊子の中でも、矛盾した内容が紹介されているのです。理念と現実のずれといったものが、スポーツ少年団の発行した公的な冊子の中でも、象徴的に読み取ることができます。

 話しは戻り、社会の中の地域スポーツクラブというのがスポ少の位置づけです。従って、スポ少のミニバスクラブは、基本的に全てクラブチームと言えるでしょう。私の身近なところでは、複数の学区の児童が混ざっていると「クラブチーム」と言われるような気がしますし、私もそのような感じでクラブチームという言葉を使っておりました。でも、単独校のクラブチームと、複数の学校の生徒が混ざったクラブチームがあると言う認識が正しいのかもしれません。(クラブチームについての認識はこれとして、以下の文章では学区に縛られずに、児童が自由に入ることのできるクラブとして、「クラブチーム」という単語を使わせて頂きます。)

 クラブチームというと、運営組織がしっかりしていないと、設立や運営が難しいような印象が私にはあります。スポ少では不安定なことも多いのではないかと感じる運営組織ですが、学区の混ざるクラブチームの場合は、よりしっかりしたものが必要になるような気がいたします。それがうまく機能すると、運営者や指導者の理念や方針を、より反映しやすくなるのではないでしょうか。

 単独校のスポ少でも運営についての考え方は本来は同じだと思うのですが、スポ少の運営組織としては「育成母集団」が提唱されております。そして秋田市では、母集団は地域の「育成会」という事になっており、各地域の体協が「育成会」となるケースが多いようです。母集団として規定されている育成会の機能にもよると思いますが、「育成母集団」は本来各クラブごとの運営組織として形作られるべきものとして、日本スポーツ少年団発行 「スポーツ少年団とは」 というガイドブックには解説されております。

 地域の体協や育成会を、複数の異なった競技のスポ少の母集団とする考え方は、これをもう少し拡大して考えると、近年提唱されている総合型地域スポーツクラブの考え方に、多少は通じるものがあるかもしれません。ただ、現在の秋田市の制度では、実際の運営には関わらない形だけの育成会になる可能性が少なからずあるように思われます。

 スポ少は、私が子供の頃には、学校が主体となって部活のように運営されていました。それがある時社会体育というお題目のもとに、学校から切り離されはじめたようです。スポ少はもともと指導者がいて運営者がいて、そしてスポーツをする児童が10人以上いれば、誰でも設立できる組織です。しかしながら部活状態から切り離されたスポ少は、責任ある指導者や運営者がいないまま、保護者と子供に形だけが託されてしまったという面があるような気がいたします。指導者や運営方針で混迷するスポ少も少なくないのは、こういった設立の経緯も影響していると、私は考えております。クラブチームの運営組織としては、不安定な要素がたくさんあると言うことだと思います。

 さて、ミニバスのクラブチームについてですが、秋田のミニバスでは認められていないようです。単独校によるチーム登録制度が、他県に比べて厳しい形で適用されているようです。日本ミニバスケットボール連盟のチーム登録制度では、各地域の連盟の弾力的な制度の運用を認めているのですが、秋田での制度の運用はかなり厳格なようです。しかしながら、単独校というのは重要だったりすばらしいことだったりするのでしょうか? 現在の社会の中で、単独校を良しとする合理的な理由を、私は見つけることができません。

 単独校主義について、ミニバスに実際に取り組むことになる子供と親の立場から見ると、子供の通う学校以外のクラブでバスケをやることを禁止される制度です。これは、スポ少やミニバスクラブの不安定さを考えると、とても理不尽な制度ではないかと思っております。その学校のクラブ以外の道を閉ざしている連盟は、その学校のクラブの内容や質を保証してくれるわけではありません。子供と親が自己責任でクラブを選ぶことができないならば、本来はある程度連盟が責任を負わなければならないと思うのですが、そういう制度ではないのです。

 子供にも親にも、どこでやるかの選択肢はありません。その学校のクラブだけを想定して、ミニバスをやるのか、あるいはミニバスをやらないのか、その2つの選択肢しか無いのです。このような制度のもとでは、時にはとてもつらい状況に、子も親も追い込まれてしまうことがあります。ミニバスの普及をはかるのが目的のはずの連盟が、「そのクラブでミニバスをやらないのならば、もうミニバスはやらなくてもいいよ。」と言っていることに等しい制度なのではないでしょうか。

 教育における学区制の根幹は、文部科学省があり学習指導要領があり、教育のシステムが義務教育の枠組みのもとで、ある程度保証されていることにあります。しかし、ミニバスの学区制には、なんの保証も無いのです。学校の授業に2週間に一度しか先生が来なかったり、1年中同じ内容:例えば九九ばかり、しかもそれを子供たちが自習でやっていたら大問題です。でも、ミニバスでは指導者が来なくて、練習メニューのプリントが渡されて、子供たちが自習状態で通年で練習していても、それが直ちに問題とはならないこともあるようなのです。しかも連盟が「単独校主義」という形で、そのクラブへのお墨付きを与えている形になっております。そして、そのお墨付きにはなんの保証も無いのです。

 子供の通う学校にミニバスのクラブが無かったら、どうすればいいのでしょうか? 人数が少なくて、練習を行うことさえ満足にできない時はどうすればいいのでしょうか? 指導者がほとんど来ない指導者不在のクラブ、あるいは暴力的な言葉や体罰を加えるような指導者のいるクラブでも、学校のクラブであれば良いのでしょうか? 困難な状況になった時に、個人の判断でより良い道を探ることができない制度は、小学生のスポーツにふさわしいのでしょうか。 

 学区自体も、今や不安定なものになりつつあります。児童数の減少・財政難などで、学校数が減る傾向にありますから、学区も時により変わっていきます。学校の統合はますます進んでいくことでしょう。また、それぞれの選択肢として、学区にかかわらず通う学校を選択できる場合もあります。もともとは学校とは別枠のスポーツクラブであるスポ少・ミニバスクラブです。学区に縛られなければならない理由が、どれほどあるのでしょうか。

 秋田のミニバスクラブは、本来は学区の規制のないスポ少制度の中で運営されているのがほとんどのはずです。ミニバスのチーム登録制度を改善して、それぞれの制度の整合性を図るべきではないでしょうか。スポ少のメンバーなのに、ミニバスのメンバーにはなることができない・・・、そんなねじれた現象が現実にあるわけですが、適切な対処があって然るべきではないでしょうか。簡単に解決できる問題だと思うのですが・・・。

 私は、単独校主義の連盟のチーム登録制度は、時代に則していないと思っております。複数の学区の混ざるクラブチームの登録を原則として認め、所属するクラブを選択する自由もあるべきだと思っております。これは、子供の権利を守るという意味でも、スポ少の理念の遵守の意味でも大切なことだと思うのです。もちろん、ミニバス連盟のねらいにとっても大切なことではないでしょうか。

日本ミニバスケットボール連盟のねらい(連盟のHPより)
 「チームに所属した子どもに可能な限り多くのゲームに参加させること。」
 「子どもたちにミニバスケットボールの楽しさを十分に味わさせること。」
 「各地に広くミニバスケットボールのチームが存在するようはかること。」 

 上記が日本ミニバスケットボール連盟のねらいです。ミニバスは「教育」であることを掲げております。教育の大きなテーマの一つに児童に対しての「機会均等」と言うことがあります。何よりもミニバスをやりたいと思った児童に、練習の場と試合の場を保証する事が、ミニバスケットボール連盟の使命でははいでしょうか。

 そのために必要な制度が単独校主義の制度だとは、私には思えないのです。単独校の制度は、「機会均等」に反すると思います。





【エリートチームについて】
 ミニバス連盟の単独校主義の理由をご存じでしょうか。それはエリートチームが存在することを防止することがねらいのようです。秋田においては、能代のクラブチームが強かったことがきっかけと聞いております。それを良しとしない考え方があったようです。

 全国のレベルでも、毎年全国大会で活躍するチームが、何校も学区が混ざった児童たちで構成されていて、それがけしからんと言う事になったようです。そういう、上の方の強いチームをねらい打ちにした制度によって、草の根の少年・少女たちは単独校という縛りを受けることになってしまったようなのです。どこか理不尽なことだと私は思うのですが、いかがなものでしょうか。

 単独校制度の中にも、エリートチームと言っても良いようなチームはあります。かたや、まったく対極の充実していないチームもあります。エリート校とそうでない学校ができてしまうのです。強いチームと弱いチームの間には、点数にすれば100対1以上の力の差があります。単独校だから力が平均になるわけではありません。逆にクラブチームだからと言って、必ずエリートチームになるわけではないと思うのです。

 もしも、毎年コンスタントに力を発揮する強いクラブができたとして、それが悪いことだとは私には思えません。人数がいて、指導者がいて、そして充実した力を発揮するのであれば、それはとても良いことなのではないでしょうか。人数がいなくて単独校チームが構成できないことに苦しむよりも、はるかに良い状況のように思えます。良いクラブを作るためには、運営者も指導者も努力をするわけです。そして、子供たちもがんばった結果が強いチームであれば、それは良いことなのではないでしょうか。

 もしかしたら、勝利至上主義の運営を恐れているのかもしれませんが、それは単独校でも起こりうることです。そして、エリートチームを禁止したい気持というのは、逆に勝利至上主義の裏返しなのではないでしょうか。勝敗にこだわるあまり、強いチームを否定しているのではないのでしょうか。強いチームがあれば、それは他のクラブからの目標になりますし、チームの成績だけではなくて、運営方法や練習方法にも見習うべき点があるかもしれません。

 逆に、そのチームの練習や運営が良くないと思えば、反面教師となることもあるでしょう。目先の勝利を考えた指導と、子供たちの将来を見据えた指導は、必ずしも一致するものではないでしょうから、子供たちにとっての理想を一生懸命考えて、それを実現しようと励む人もきっといることでしょう。熱意のある指導者や運営者が、手腕を発揮してがんばりやすい環境であって欲しいと思っております。

 そして必要であれば、ミニバス連盟やバスケットボール協会が子供たちをサポートする立場から、クラブの運営などに助言しても良いのかもしれません。他の競技の例で恐縮ですが、サッカーの世界はトップチームからジュニアチームまでサッカー協会の直接の傘下にあるようです。日本サッカー協会のHPを見ると、その組織作りは見事だと思いますし、理念・ビジョンがわかりやすい形で表現されていて、その内容には威厳さえ感じられます。

 ●参考に、日本サッカー協会の公式サイトはこちら。

 サッカーのクラブチームでは、一つのクラブに、いくつかの年代のチームやフットサルのチームが構成されていることも、一般的なことです。サッカー協会の姿をそのまま写しているように思われます。また、NPO法人の資格取得にも積極的なようです。それから、フットサルがプロ化されたので、今後ますます普及・発展するかもしれません。サッカー協会は、サッカーを通じての小学生の教育プログラムに、協会を挙げて取り組んでおりますし、小学校の体育館でフットサルの練習が通年で行われるようになる日が、そのうち来るかもしれません。

 バスケットボールの世界でも、バスケットボールの普及をはかり、子供たちの育ちの一助となるために、ジュニア層のクラブチームの位置づけを考えていく必要があるのではないでしょうか。指導者の確保などでも、バスケ界全体としての取り組みがあっても良いのではないかと思われます。

 チーム競技でも個人競技でも、クラブチーム化は時代の流れのように思われます。それを押しとどめることはできないのではないかと私は感じております。単独校をベースに考えるのと、クラブチームをベースに考えるのとでは、運営のあり方がまったく変わるはずです。仕方なく単独校をあきらめるのではなく、子供がよりミニバスケットボールを楽しむことができるように、より良い環境のクラブができるように、積極的にクラブチームについてミニバス連盟やバスケ協会が考えても良いのではないかと思うのです。(バスケットボール協会にも、エンデバープロジェクトという育成プログラムがありますが、クラブのあり方には踏み込んだ内容にはなっておりません。)

 もちろん、クラブチームになれば、それで万事が上手くいくなどとは思っておりません。どんな体制になっても、必ず幾多の問題はあるものだと思っております。ただ、現状ではエリートチームのことを心配するよりも、単独校制度の中で困っている人たちを心配することのほうが、はるかに意義のあることだと思うのは、私だけではないと思うのです。

 本来は主人公なはずなのに、弱い立場におかれている子供たちの立場から考えることが、やはり基本と言えるのではないでしょうか。単独校の制度で救われない子供がいる以上は、次の方策が一刻も早く必要なのではないかと思われます。

 子供たちが個性を発揮し、夢を持ち楽しく練習できるクラブ。指導者も個性を発揮し、子供たちの育ちのために充実した内容で活動できるクラブ。保護者や協力者たちが、安心して豊かな気持を持って活動を見守り協力することのできるクラブ。そういうクラブを誰もが経験できるようになることを願っております。





 ところで、著しい少子化が進んでいるにも関わらず、秋田で単独学区制度を維持される具体的な理由としては、単独学区以外のクラブチームを認めると、 「チームの強化のための児童の引き抜き」などが起こるということが主にあげられるのを、何度か耳にしたことがあります。この論法は、児童不在の大人の身勝手な言い分だと私は思っております。やはり大人同士の勝敗にこだわった立場での心配ごとではないでしょうか。目の前に、今まで経験したことのない少子高齢化社会があり、児童がミニバスケットボールをやりたくてもできない現実があり、児童に選択の自由がないことがまず第一の根本的な問題なのだと思います。それは、全体を見ずに部分を論じているような、大人の都合の良い論理で無視することのできるようなことではありません。

単独学区制度の維持すると 単独校制度の撤廃すると
  • ミニバスケットボールをやろうとする児童にとって、選択肢や万一の際の救済の道が不十分。
  • チーム強化のための、児童の引き抜きが懸念される。

 上記の表のように、要素を単純化して並べてみました。ブルーの表とピンクの表、どちらの問題が、児童の立場にとってより大切なことになるでしょうか。もしも、ピンクの表の問題のほうが大切だと言う人が社会の中で多いのであれば、私の感覚は少数派なのかもしれません。私にとっては、ブルーの表の問題の方が明らかに重要なものです。

 単独学区制度の中では、児童の選択肢が損なわれ、児童の立場にとっての不利益が生じます。かたや引き抜きを心配するのは、児童の立場ではなく、大人の側の都合を中心に考えているのではないでしょうか。秋田のミニバス連盟の役員はそれぞれクラブの指導者に名を連ねていると聞いたことがありますから、引き抜きの懸念は、児童の側の問題ではなく、ミニバス連盟側の問題だと言えると思います。万が一にも不適切な行為として、児童の引き抜きなどが行われる事態などが起こるとすれば、本来はきちんとした倫理規定や罰則を設けて、連盟が自らを律するべき問題だと私は思います。そして、その内容を公表すればいいと思います。児童の側の権利を制限して、児童の不利益を招くのは、児童が主人公の少年スポーツの世界では本末転倒と言えるのではないでしょうか。

 もしもプレーするチームが途中で変わったとしても、主人公の児童の側に立って不利益のないように考えることが、基本でなくてはならないと思います。移籍を引き抜きとしか結びつけないような考え方は、勝利至上主義の狭量な考え方でありましょう。児童の行動には、何が原因があるのではないかと考えるのが自然です。部員・指導者・保護者の間で、何か人間関係のトラブルがあったのかもしれない。指導がきちんとされていないのかもしれない。普通に考えれば、そういった原因を想像し、思いやりの気持ちで児童を見守るものではないでしょうか。そういう思いやりが、単独校制度を維持する視点には欠けているように思います。現在は、例えば人数不足で廃部の危機となったとしても、児童の選択肢は無きに等しい状況です。愚かな制度だと、私は思います。

 児童の立場に立ち、ミニバスケットボールの普及を考えれば、自ずと問題の本質が何なのかがわかると思います。本質的な問題は、児童がミニバスケットボールを楽しむことのできる環境作りなのではないでしょうか。著しい少子化が進み、社会情勢も大きく変わる中で、少年スポーツの世界も昔のままでは行き詰まってしまう状況になっております。ミニバスケットボールの普及をはかるべき連盟にとって、児童がミニバスを十分にできないことの不利益を取り除くことこそが、本来の使命なはずです。引き抜きなどの大人の行為の心配が、本来の使命よりも重要で大きいとは私には思えません。目の前の児童の不利益よりも重要なことだとは、到底考えられません。

 良いクラブに児童が集まることは自然なことであり、学区が混ざっても何ら問題は無いと私は思っております。社会情勢や生活のあり方も変わり、必ずしも居住地の小学校に通う児童ばかりでもありません。学区についての考え方が変わってきていますし、学校の在り方自体が、変わってきているのではないでしょうか。また、サッカーなどのミニバスケットボール以外の競技では、学区の制限はありませんし、児童の移籍についても必要以上の制限は無いようです。そして、経営者のいる民間のスポーツクラブなどでも、学区はもちろん関係ありません。スポ少も、もともと学区制限のない民間の地域スポーツクラブという性格のものです。秋田では、ミニバス連盟の役員がスポ少の役員であることも少なくないようですから、その本質は大切にしていただきたいと思います。

 引き抜きなどの行為を心配するよりも、児童やバスケに対して誠意や熱意を持っている人材があることをプラス思考で考えることができないものでしょうか。児童の側の選択肢が増えても、単独学区のチームが否定されるわけではありません。単独の学校で十分な活動ができるならば、それは素晴らしいことです。しかし、それができない社会情勢になってきています。決して、単独校チームの否定では無く、児童の側の選択肢が増えるだけのことなのです。もちろん不適切な引き抜きなどが発生すればそれは問題かもしれませんが、それは大人の側を律するべきことであり、児童の側の権利を制限して解決すべきことではないはずです。

 クラブの内容が良ければ、児童も親もそのクラブでミニバスケットボールを続けたいと思うはずです。そこには、指導者の指導内容や、クラブへ通う地理的な問題や、一緒にプレーする仲間など、単に強さだけではない要素もたくさんあります。単独校チームであっても、また複数の学区の児童の混ざるクラブチームであっても、大切なことは、児童が充実した内容でミニバスができるかどうかです。児童を制度で縛り付けるのではなく、児童の自由な選択肢の中で、選ばれるクラブの運営を心掛けていくことこそが、クラブの充実のためにも大切なことなのではないでしょうか。サッカーなどの他の競技では、学区の制限が無いのは普通のことです。単独校チームもあれば学区の混ざったクラブチームもある、それが現在の社会情勢の中では自然なことではないでしょうか。ミニバスケットボールだけがそれができない合理的な理由など、どこにも無いと思うのです。

 そして、最も単純な事実として、秋田では単独校制度が厳格に適用されたとしても、全国を見れば学区が混ざることは特別なこどではないということがあります。チーム競技のクラブチーム化が図られる中、ミニバスだけが単独校を標準とすることを考え直すべきではないでしょうか。ミニバスの都合に、社会情勢は合わせてくれません。社会情勢に、ミニバスが対応しなくてはならないのですから。それが、ミニバス連盟の社会的な責任だと私は思います。

 秋田では単独校でチームが問題なく維持できた時代があったのかもしれません。でも、それはもう戻ることのない、過去の過ぎ去りし夢なのだと思います。人口は、これからもますます減っていきます。児童の人数も目に見えて少なくなってきています。

 過度にエリートチームや引き抜きを心配して、児童の可能性を狭くしたり、ましてや門戸を閉ざすような制度は、本質から外れていると言えましょう。児童に対して広く門戸を開き、児童の可能性を大きく伸ばして行くことのできる制度が、児童のスポーツの世界には必要だと思うのです。





【人数不足・指導者不足】
 ページの冒頭でも、少子化や児童数不足については、具体的な数字を挙げて少し触れましたが、この項目でもまた、人数不足について考えてみたいと思います。

 私の知るだけでも、人数不足で苦しんでいるミニバスクラブは少なくありません。私たちが子供の頃と比べて、子供の人数が激減しているのですから当然です。学校の児童数自体が少ないのですから、クラブに人があふれるわけがありません。スポ少の種目も昔と比べると増えておりますから、他校で活動しているスポ少へ入るケースも少なくないようです。制度的には、ミニバス以外のほとんどの種目では、他校のスポ少に入部しての活動が可能なのではないでしょうか。

 そして、スポ少離れという事も耳にします。試合の広域化・試合数の増加などによって、親の負担が少なくないと言う事もあるのかもしれません。子供がスポ少を始めると、土日がなくなるというのは、よく耳にする言葉です。

 また、スポ少は不安定な運営基盤の上に成り立っていることが少なくありません。それと比べると、経営者がいて運営責任がはっきりしている、民間経営の何らかのスポーツクラブに入るという選択肢も有力なものです。民間経営のスポーツクラブは、消費者から選んでもらうための経営感覚を持って運営されておりますし、指導者がいないということもありません。

 様々な要因から、人数不足の問題は深刻になっていると思われます。しかしながら、人数が少なくなって練習も満足にできない状況になってしまっても、そこから抜け出す選択肢が簡単には見つからないのがミニバスです。

 人数不足になると、まず低学年へのクラブへの勧誘が行われるようになると思います。単独校主義の中では、そうするしかないからです。そして、低学年が混ざってやっと10人。あるいは低学年が混ざっても、10人に満たないクラブもあります。

 ミニバスでは、10人という人数をクリアすることが、まず第一の関門になっています。10人いないと正式に大会トーナメントにエントリーできなくなってしまうからです。他の団体競技と比べても、この10人のハードルは高いものです。11人対11人のサッカーも、実はルール上は8人程度で公式試合は成立します。もっとも人数的に高いハードルのあるミニバスが、単独校でなければならないのは、賢明な事だとは思えません。

 低学年が混ざってやっと人数の確保ができたとしても、今度は練習が充実した内容で実施できないケースも出てくると考えられます。例えば、6年生と3年生では、あまりにも体格・体力が違います。接触プレーのあるバスケでは、存分な練習というのが難しくなります。

 やはり、充実した練習をするためには、同程度の学年の児童の人数がある程度必要なのではないでしょうか。少子化や街の空洞化・あるいは過疎化などで児童数が少ないのですから、単独校の枠に縛られずにクラブに入り、ある程度の人数のいるなかで練習するという選択肢が必要なのではないでしょうか。そういう充実した環境に、子供も指導者もいた方が良いと思うのです。

 クラブを構成する児童の人数不足と同時に、指導者不足という事もよく耳にします。名簿上の指導者が、実際にはほとんど指導に来ない事例もあるようです。その中、指導者が育つにも、ある程度のクラブの環境というのは必要なのではないでしょうか。人数がいて、いろいろな練習メニューも十分にできるクラブで指導してこそ、次代を背負う指導者も生まれてくるのではないかと思うのです。いろいろな職業の人が、それぞれのできる範囲で指導に協力されるのだと思います。一人だけでは時間が足りないことも多いでしょうし、高学年から低学年までを一人で見るのは不可能とも思います。指導も複数の指導者が集まって協力しないとできないのが、現在のスポ少・ミニバスクラブではないかと思われます。

 指導者がクラブの指導をしやすい環境や、練習をサポートする人材の確保も大切なのだと思います。クラブの人数が安定して、複数の指導者で円滑な指導を実現するためにはどうすればいいのか、知恵を出し合って行かなくてはならないのではないでしょうか。

 子供も指導者も人数不足なのであれば、どちらも集まってクラブとして機能する制度や運営方法を構築して行くべきなのだと思われます。地域のスポーツクラブとして運営方針や運営主体を明確にする必要が出てくるでしょうし、難しいこともいろいろとあるかもしれません。でも、それが本当の意味でのクラブチームになっていくのではないでしょうか。人数不足は、大きな問題ではありますが、この問題に対処することは、次代に続くミニバスクラブを形作るための、大きなステップになるのではないかと思うのです。



 ここで、小学校の児童数の推移などについて簡単に紹介します。     

秋田県の小学校の児童数 S55年・・・約10万7000人

H07年・・・約 8万人

H17年・・・約 6万人


秋田市立小学校の児童数 S55年・・・約2万5200人

H07年・・・約2万0600人

H17年・・・約1万7600人

 秋田県では、平成7年から平成17年の間に、児童数が約25%減りました。秋田市では同期間に約15%減っています。秋田県でもっとも人口減少の少ないはずの秋田市でさえ、急激に児童数は減ってきているのです。

 他に参考の数字を挙げておきます。

 秋田県内のスポ少は平成8年から平成17年の間に、約150団増えています。

 ミニバスのクラブも平成8年から平成17年の間に約60団増えています。

 小学校の児童数が約25%減少した中で、スポ少の全体数もミニバスのクラブ数も20%以上増えているのですが、この数字の意味するところは、スポーツの専門家ではない私には知識も情報もないために分析できません。全体の増加は、平成19年の国体に向けて設立されたクラブなどもあるかもしれません。(ミニバスのクラブ数については、ミニバス単一種目のクラブ数です。もしかすると、複合種目のスポ少がミニバスの単一種目のスポ少になったなどの、登録上の要素もあるのかもしれませんが、私には時間をさかのぼる十分な資料がないので、よくわかりません。)

 また、平成17年度の統計から計算すると、秋田市の小学校の児童数は、全県の約25%に当たります。そして、秋田市のミニバスのクラブの数は、全県の約 33%を占めます。児童数に比べて、クラブ数が多い状態になっているのかもしれません。



 ミニバスの世界を見ていると、人数不足などでトーナメントに出場できずに、オープン参加のトーナメント外の試合にでなくてはいけない事があります。一度もトーナメントに参加することなくミニバスを終える児童や、人数不足で練習も試合も十分にできない児童もいるようです。あるいは、自分の通う学校にミニバスクラブがない児童には、ミニバスチームのメンバーとしての登録自体ができません。

 こういったことは、児童本人にとっても親にとっても、また競技全体にとっても、マイナスではないでしょうか。ちょっと制度を変えるだけで、マイナスにならずにプラスに変わる可能性を生み出すことができると思うのです。子供の瞬く間に過ぎてしまう貴重な時間を考えると、それは迅速に真剣に取り組むべき課題ではないでしょうか。






【子供の時間について】
 子供の時間の流れ方は、大人とはまったく違うものだと思います。今や40代の時間を過ごす私には、時間の流れはあまりにも速く感じられます。また今年も終わってしまったとか、もう1年経ってしまったのかと思うのが当たり前で、また同じ1年を過ごしてしまうという気持があります。そして、1日1日が瞬く間に過ぎ去っていきます。

 ミニバスの世界では、毎年多くの子供がバスケをプレーしていると思います。当事者にならずに、第三者の目で見れば、去年も今年も来年も、そこにはミニバスの世界があります。しかしながら、当事者であるミニバスをプレーする子供にとっては、その年限りの一度だけの貴重な時間を過ごしているのです。

 8~12才、あるいは9~12才の時期を、ゴールデンエイジという特別な身体動作の習得時期と位置づける考え方が、スポーツの世界では一般的です。持久力や筋力が発達する前に、体を動かす神経系の発達が著しい時期に当たり、この時期がボディーコントロールの能力が急速に高まり、一生に一度だけの特別な身体動作の習得時期になると言われております。難しい技術なども、見て真似するだけで習得が可能な時期で、各種の競技ではこの時期にどのような練習が良いのかが、真剣に考えられています。

 さて、この特別な子供の時間に対して、ミニバスの世界ではどれだけの配慮をしているでしょうか。もしも、人数不足などで十分な練習ができなかったり、トーナメントに出場できなかった時には、もう2度とそれを取り戻す機会はありません。その子にとっての、5年生の時間や6年生の時間というのは、一生の中でたった一度きりのものです。しかも、神経系の発達する時期と言うことで、二重の意味でもたった一度の時間なのです。この時間を充実させる責任は、大人にあるのではないかと思うのです。ミニバスでは、ミニバス連盟が、子供の時間をいかに充実させるかを考える組織と言うことになるのでしょう。

 子供がミニバス連盟とスポ少のねらい通りに充実した時間を過ごすために、ミニバス連盟は考え行動する組織だと思うのです。その連盟が単独校主義を取り、その枠組みにとらわれていることは現実的なことなのでしょうか。

 十分に練習できる環境になかったり、トーナメントに出場できなかった子も、もしも自由にクラブを選択できていたならば、まったく違う環境でミニバスに取り組むことができていたのではないだろうかと、少なくとも可能性はあったであろうと思うのです。連盟のねらいを現実の物にするためには、子供の立場に立った、より良い環境作りのサポートが欠かせないと思うのです。

 ただ一度きりの貴重な時間を過ごしている子供たちのために、ミニバスの制度は変わる余地があると思うのです。そして、子供の時間の速さを考える時、一刻も早くミニバスの制度は変わっていく必要があるのではないかと思うのです。人数不足や指導者の問題などの話しをよく耳にします。今の制度の中では、限界に来ている部分があると思うのです。それを我慢することは美徳とは言えないと思われますし、大人の責任で迅速に対処しなくてはいけない現実が、そこにはあるのではないでしょうか。





【ローカルルールについて】
 平成19年度に秋田のローカルルールは撤廃されました。理由は、ローカルルールに慣れると全国大会に勝てないと言うことだそうです。強化策として設定されたローカルルールは、今度は強化策?として撤廃されました。

 しかし、単独校制度は変わらず、人数不足や登録できない児童の問題は放置されたままです。競技の普及・強化もこれではできますまい。

 以下のローカルルールについての文章は、そのまま残しておきます。

 (2007年5月)

 秋田のミニバスには、秋田独自のローカルルールがあります。正直言って、本当に詳しいところは私にはわからないのですが、次のようなものがあると理解しています。
秋田県のミニバスのローカルルール
○10秒ルール
○バックパスルール
○スリーポイントシュート
○30秒ルールのリセットの仕方
(他にもあるかもしれませんが、2007年1月現在私の知る限りは以上です。)
 聞くところによると、平成19年の秋田わか杉国体の強化の一環で設定されたローカルルールなのだそうです。ローカルルールですから、もちろん全国共通のルールには無いものです。

 この中で、バックパスと10秒ルールは、私は必要ないのではないかと思っています。小学生のミニバスに、しかも低学年化が進んでいるミニバスに、バックパスと10秒ルールが必要なのか、疑問に思ってしまうのです。バスケットボールのルールは複雑です。非常に細かい動作が反則になってしまいます。全国の共通ルールだけでも、覚え・体得しなければならないことがたくさんあります。

 センターラインの近くでルーズボールを全力で追いかけた子がいた場合、それは誉められるべきものだと思うのです。しかし、そこでバックパスが起これば反則になります。私は、ミニバスではとにかく全力で思い切り走って欲しいと思うのですが、低学年でも迷うことなくプレーできることは大切ではないでしょうか。だからこその、全国の共通ルールなのではないかと思われます。

 バックパスルールも10秒ルールも、プレスディフェンスに大いに関連があるルールだと思われます。しかしながら、鍛えられたプレスディフェンスの前では、練習を積んでいないチームなどはこのルール以前にボールをまったく運べないこともあります。また、時間のルールは、3秒ルールと5秒ルールと30秒ルールで十分なのではないでしょうか。劣勢の子供たちにも、なんとかしようとがんばって欲しい。その中で、バックパスや10秒ルールは無くても良いのではないかと、私は思ってしまうのです。

 子供たち、特に低学年はパスミスやファンブルやドリブルのミスをたくさんしてしまいますし、トラベリングだってしてしまいます。バスケはルールがとても多い競技ですし、その上バックパスや10秒ルールと言われては、対処しなくてはいけないことが多すぎはしないかと心配です。その昔、私は中学で初めてバックパスというのを知りましたが、何も困ったことはありませんでした。全国のルールがそうなっているんですもの。(ローカルルールの無かったその時代、同じ 中学の体育館で練習していた女子バスケチームは、選手と指導者の努力の成果で全国大会で優勝しました。その練習は、ローカルルールで強化できるような次元ではなかったと記憶しております。)

 スリーポイントルールについては、スリーポイントシュートにトライするかどうかは子供に選択権があります。体力的にも問題ないと思いますし、外からのシュートは日本のバスケには重要な武器のようですから、ミニバスでもどんどんチャレンジして良いのではないかと、個人的には思っております。

 素人の私には、プレーの質とか戦略的なことはわからないので、ルールに対する考え方もいかにも素人という感じなのかもしれませんが、四半世紀ぶりに見たミニバスの世界の中で驚いたことの一つでしたので、素人なりに思ったことを書かせていただきました。

 ローカルルールよりも登録ルールを工夫した方が、ジュニアの育成に役立つのではないかと思うのは、私が素人ゆえだからでしょうか。




【情報の公開・理念の表明・サポートの窓口の運営】
 インターネットの検索サービスで 「ミニバスケットボール連盟」 という単語で検索すると、何十というミニバス連盟のHP(ホームページ)が見つかります。そのなかで、近県である東北地方の県ミニバス連盟のHPを紹介します。

●青森県ミニバスケットボール連盟
●宮城県ミニバスケットボール連盟
●山形県ミニバスケットボール連盟
●福島県ミニバスケットボール連盟

 岩手県のミニ連では、2007年1月現在まだHPを設けていないようです。
 秋田県のミニ連にもありません。

 では、秋田のミニ連の事務局はどこにあるのか、あるいは会長はどなたなのか、役員や組織の構成はどうなっているのかなど、秋田の人でご存じの方は何人くらいいるでしょうか。私は、今から3年ほど前にミニバスの世界に疑問を感じはじめたのですが、会長のお名前や事務局を知ったのはごく最近の事です。ネット 上でも情報はほとんど無いのが実情です。本来ならば、組織がどうなっているのか・事務局がどこなのか・会長をはじめとした役員は誰なのか・どのような事業をどのような予算で行っているのか、相談したいことがあった時の窓口はどうなっているのかなどなど、いろいろな情報がわかりやすい形で提供されているべきだと思うのです。

 東北各県もそうですが、全国各地のミニ連のHPを見ますと、直接情報を公開するという意識を感じます。そして、ある意味でユーザーとも言えるミニバスに関わる人たちの意見を聞き情報交換をして、より良い環境を作っていこうという姿勢を表明しているHPもあります。連盟がミニバスという競技をサポートするのだという意志を感じられる文言も見受けられます。それは、各地のミニ連が直接語りかけていることに意義があると思うのです。チーム登録やチームの設立についても、ネット上で具体的にわかるような情報の公開が行われ、また各種の手続きそのものをネット上で行う試みなどが、各地のミニ連で模索されているように感じられます。

 連盟のHPによっては、チーム登録の細かい規定を詳細に具体的に解説しているページもあります。単独校主義を厳格に守ることを求めるような内容もあれば、けっこうおおらかに運営しているように思える内容もあります。また、掲示板の書き込みを読んでみると、チーム登録制度について意見が交わされている時もあります。現在の単独校を基本としているチーム登録制度は、やはりミニバスの世界では大きな課題の一つであることがわかります。

 さて、秋田のミニバスですが、単独校へのこだわりが強い内容で運営されておりますが、著しい少子化の中で何故そうなのかの理由を、秋田のミニ連も直接語るべきではないかと私は思っております。単に全国ルールだからと言うのでは、納得することのできない現実があります。実際、全国には柔軟な制度で運営されている地域も多いはずです。

 ミニバスに関わる人間に対して、ミニ連には情報の公開の義務があると思うのです。ミニバスに関わる人間というのは、ミニ連を構成している人たちはもちろん、実際にプレーしている子供とその保護者をはじめ、バスケに興味を持っている人なども含めた、社会の中でのたくさんの人たちを意味するものです。ミニバス連盟は社会的に責任のある組織ですから、誰にでもわかりやすい形での情報公開は責務と言っても良いかもしれません。

 チーム登録の制度・ローカルルール・その他の情報について、秋田のミニ連も直接説明する場を設ける必要があるのではないでしょうか。広く一般向けにわかりやすい形での情報の公開には、やはり現状ではインターネット上にHPを公開するのがもっとも良い方法ではないかと思われます。

 情報を公開するに当たっては、ぜひ理念を語って欲しいと思います。子供のためにどうすることが良いと考えているのか。そのために具体的にどのような制度で何をやっていくのか。それらが有効なのか、問題点は無いのかをチェックするための方法はどうするのか。そういったことを、社会的な責任のひとつとして、誰にでもわかるような形で公開していくべきだと思います。

 ミニバス連盟は、ミニバスという児童のためのスポーツをサポートする組織なはずです。広く一般からの意見を聞き、また困ったことが合ったら相談できるサポートの窓口も作っていただきたいと思います。子供たちのほうを向いた開かれた連盟の姿を、私たち一般の者にわかりやすい形で見せて頂きたいと思うのです。



 ミニバスのクラブは、スポ少として活動していることが多いわけですが、スポ少を核とした総合型地域スポーツクラブについて、ここで少々触れたいと思います。

 日本の体育行政の大きな方針として、総合型地域スポーツクラブという新しい形のスポーツクラブが提唱されています。単独校でのクラブ活動の維持も困難になり、従来の方法では十分にスポーツ環境を整えることができなくなってきたこともあって、広く地域でスポーツクラブを維持していこうという考え方であると思われます。モデルはドイツの地域スポーツクラブだそうです。日本ではサッカー協会のクラブチーム作りの取り組みが、良い見本になると思われます。

 総合型地域スポーツクラブでは、その核にスポーツ少年団をと言うことも提言されています。スポ少にはもともと学区の規制はありませんし、小学生から高校生までと対象も広い制度ですので、総合型地域スポーツクラブの原型と言えるような性格のスポーツクラブなのです。しかし残念ながら、単独校主義のミニバスの制度では、総合型地域スポーツクラブの核になるのは難しいことです。単独校という狭い枠の考え方が、総合型地域スポーツクラブの考え方にそぐわないよう思われます。

 平成17年の秋田県内のスポ少のデータによりますと、秋田県内に903あるスポ少のうちの195がミニバスのクラブになっております。この195という数字は、他の種目と比べて圧倒的に多いものです。単独校制度の影響でクラブ数が多いのかもしれません。ミニバスの次に多いのが野球の157・剣道の72・サッカーの64・バレーボールの60・・・などとなっています。このように、県内でもっともクラブ数の多いミニバスケットボールの制度が単独校であることを基本としており、総合型地域スポーツクラブの推進に対応するのが難しいというのは、体育行政の大方針である総合型地域スポーツクラブの理念に反するものではないでしょうか。制度的な不整合があるように感じられます。

 文部科学省・日本体育協会・日本スポーツ少年団・秋田県などなど、スポーツ活動の育成に関わると思われる公的な組織のホームページを見ると、それぞれのホームページで総合型地域スポーツクラブが取り上げられ、育成・整備を進めるという内容が公開されています。秋田県内でもっともスポ少数の多いミニバスケットボールも、狭い小学校区にとらわれないで、総合型地域スポーツクラブの考え方に対応していくべきではないかと思うのです。

 その中、現在の秋田市のミニバス連盟の会長は、市のスポ少の本部長でもあります。スポ少や総合型地域スポーツクラブの理念を熟知していらっしゃるはずの方なのです。ネットでお名前を調べたところでは、小学校の校長先生の経験もある方のようなので、各小学校の児童数の減少についてもお詳しい事でしょうし、子供のことを第一に考えた運営をしてくださると思われます。秋田のミニバスの制度的なことも、きっとこれから変えていってくださることでしょう。競技連盟とスポ少のトップであることを考えれば、より大きな義務と責任があるはずです。

 その一環としても、ミニ連には直接の情報の公開・理念の表明・サポートの窓口の運営に、一日でも早く取り組んで欲しいと思うのです。少年スポーツにおける競技の普及をはかる組織には、「理念・ビジョン」という大きな指針が欠かせません。どういう立場に立って何をしていくのかを、わかりやすい言葉で公にして、そして主人公である子供のための活動を、実行していただきたいと思っております。

 




「決まり事の違和感とエンデバープロジェクト」
(この項目は2007年02月04日に追加)
 各地のミニバス連盟のサイトでは、チーム登録などの規約や実施についての詳細を公開しているものがいくつかあります。それらを読んでいると、私は何か違和感を感じることがありました。その違和感が何なのかを、うまく言葉にすることができなかったのですが、その違和感の正体がようやくわかってまいりました。

 ミニバス連盟のHPを見ると、トップページにあるキャッチフレーズは、「友情とほほえみのネットワーク」です。そしてミニバス連盟のねらいとしては、
 「チームに所属した子どもに可能な限り多くのゲームに参加させること。」
 「子どもたちにミニバスケットボールの楽しさを十分に味わさせること。」
 「各地に広くミニバスケットボールのチームが存在するようはかること。」 

以上の3つの文章が公開されております。

 しかしながら、各地のミニバス連盟でチーム登録や実施の詳細に定められていることは、大人同士の思惑による行動の制限がねらいになっているような気がいたします。単独校の制限・児童のチームの移籍についての取り決めなどは、子供がどのような環境で練習をするのが適切なのかという考え方よりも、誰かが不正に子供集めをするのではないかという疑念からの制限事項のように感じられます。

 クラブの状態や指導者の問題によって、十分にバスケの練習をすることのできない子供が居た場合、より良い道を探るのは当然のことだと思われます。しかし、そこで子供の立場で考えるのではなく、大人がチーム強化のために人集めをするのではないかと疑ってかかることが、ミニバスの決まり事の基本にはあるように感じられるのです。

 子供の時間は一度きりですが、その一度きりの時間を大切にすることよりも、ミニバスに関わっている大人同士の「人間不信?」から定められた決まりが多いのではないかと感じてしまいます。「友情とほほえみのネットワーク」のはずが、大人同士のおかしな思惑から、根幹となる決まりができてしまっているのではないだろうかという違和感。それが私の感じた違和感の正体だったように思われます。大人の世界の不信感や不都合を、子供の世界に押しつけてはいないでしょうか。

 実は、バスケットボール協会でも、エンデバープロジェクト(ジュニア世代からの一環指導体制の実現)の中で、子供たちのスポーツ環境の危機については言及されていて、総合型地域スポーツクラブの推進についても述べられています。しかし、ミニバスの制度は単独校に縛られて非常に窮屈なものになっており、地域で工夫して運営することのできる、自由さのある制度にはなっておりません。総合型地域スポーツクラブの概念にそぐわない部分があるのです。バスケットボール協会は、このことを承知の上で総合型地域スポーツクラブについて言及し、そしてジュニア世代の育成について計画を立てているのでしょうか。

●参考に、日本バスケットボール協会のサイトはこちら。

 先にもサッカー協会について少し触れさせて頂きましたが、サッカーでは国の代表であるトップチームから地域のジュニアのチームまで、全てのカテゴリのチームがサッカー協会に直接所属する形です。したがって、各カテゴリの普及・強化も、サッカー協会に直接の責任や権限があると考えられます。しかし、バスケットボールの世界では、バスケットボール協会の加盟団体として、ミニバス連盟などの各種のカテゴリの連盟があります。ミニバスのクラブも、バスケットボール協会の登録チームの一つにはなるようなのですが、あくまでもミニバス連盟はバスケットボール協会の加盟団体のひとつなのです。公式サイトの組織図を見る限りは、ミニバスやU-12の普及・強化のために、バスケットボール協会が直接の責任や権限を持つという形では無いように見受けられます。

 バスケットボール協会のエンデバープロジェクトの解説の中では、日本代表のトップチームと世界の強豪との力の差や、競技人口の減少の危惧などについても、率直に言及されております。そして、これらのバスケットボールの現実を認識し、そこから全体のレベルアップを図ることが述べられております。バスケットボールに親しむ子供たちに「夢」を与えるともあります。同時に、ジュニア層の問題点として、少子化・指導者不足・学校部活動の廃止などによるクラブの減少についても記述されております。そして、プレーヤーの育成において最も重要となるのは、小学生から高校生時代のジュニア期であるともあります。

 この、バスケットボール協会のエンデバープロジェクトは、協会を挙げての取り組みのはずなのですが、その中でミニバスの制度は望ましいものなのか、バスケットボール協会とミニバスケットボール連盟はそれぞれ意見の交換をされているのでしょうか。エンデバープロジェクトのエンデバー委員会には、ミニバス連盟の役員の方ももちろん含まれているようなのですが、エンデバー委員会の計画とミニバスの現在の制度には整合性があるのでしょうか。トップの言っていることと、実際の現場に隔たりがありはしないでしょうか。

 現在のミニバスの制度は、単独校のクラブを絶対的に良しとする制度です。その反面、ミニバスに関わる人たちの望ましくない行動を想定した、人を信じていない各種の決まりを設けていると感じられます。でも、もっとミニバスに関わる人たちを信じて、工夫の余地のある制度にしても良いのではないでしょうか。エンデバープロジェクトというバスケの世界の大方針も策定されており、そこには学校単位の活動の限界も記されております。社会的なモラルが崩壊してきてしまったのではないかと思われる、最近の世の中ではありますが、スポーツの世界それも小学生のスポーツの世界では、人の良心や善意をもっと信じても良いのではないでしょうか。制度だけではフォローできない部分をカバーするのが、ミニバスに携わる人たちのお気持ちでもありましょう。人の善意・熱意・誠意に勝るものはないと思うのです。そして、もしも不適格な人材があった場合は、そこに柔軟な制度があれば子供に選択肢があり、より望ましい道を探ることもできるはずです。また、選択の自由があれば、より良い人材が選ばれていくことにもなります。

 大人の互いの思惑で、細かな規制を作るよりも、どうすれば一人でも多くのバスケプレーヤーが生まれるのかを考えたほうが良いのではないでしょうか。ミニバスの世界での内向きの競争に、重心を置いている場合ではないと思うのです。全ての競技が、少子化の中でどのように底辺の拡大を図り、競技のレベルを高めていくかを模索している時代です。他の競技ではなく、バスケという競技を選んでもらうにはどうするべきなのかを、より広い視野でそして子供たちの立場に立って、考えていくべきではないでしょうか。

 何が何でも単独校のクラブが良いというのは、現在の社会情勢では理にかなった考え方ではありませんし、一人一人の子供たちは皆違った環境にあることを考慮するべきでしょう。大人同士の勝負にこだわった決まりよりも、子供たちが一人でも多く参加し、より良い環境でバスケを楽しむことのできる枠組みを考えていただきたいものであります。

 何度も、サッカー協会の例を持ち出して恐縮なのですが、チームスポーツでは最も進んだ内容で運営されていると感じますし、Jリーグができてからの発展にはめざましいものがあると思われます。そのサッカー協会は、Jリーグ誕生以降、「地域に根ざしたスポーツクラブの拡大」を推進してきております。サッカーでは、独自のスポーツクラブ観を持って底辺の拡大に取り組んでいるわけです。ひとつのクラブに各カテゴリのチームが構成されることも少なくないようなので、各カテゴリごとに別々にクラブを作るよりも効率的ですし、活動の継続性・カテゴリ間の交流・指導者等の人材の確保などの面でも、有利になるのではないでしょうか。サッカー以外の他の競技でも、地域のクラブ作りに取り組んでいます。スポーツの世界全体で、新しいクラブの形が模索されている時代に、ミニバスは単独校以外のビジョンを示さずにいて良いのでしょうか。

 バスケットボール協会では、2002年に「JABBA変革21」と言う強化計画を立ち上げ、その中で「エンデバープロジェクト」も策定されました。それから5年。ミニバスの制度に変化はないようですが、プロジェクトによりジュニアの環境は変わってきたのでしょうか。小学生のバスケ環境をどのようにして維持・拡充させていくのか、バスケ界の戦略はどのようなものなのでしょうか。

 さて、今年はバスケットボール協会傘下のプロリーグが始まります。サッカーの世界では、Jリーグ設立15年で現在の状態を作ってきました。バスケのプロリーグはこれから何を目指して活動していくのでしょうか。子供たちに夢を与え、地域のクラブ活動の活性化にどれだけの影響力を持つのでしょうか。プロリーグが一本化されていないバスケ界ですし、それぞれの関係がどのようなものなのかはわかりませんが、どちらも充実してバスケ界の発展につながることを願っております。その競技のトップレベルが充実してこそ、底辺も充実していくことでしょう。

 エンデバープロジェクトは、トッププレーヤー育成のための底辺からの一貫指導プログラムであり、また競技全体の技術向上の普及を目指す底辺拡充のプログラムでもあります。底辺からのジュニアのバスケ環境を変えていこうというプログラムだと思われます。バスケクラブが学校になかったり、人数不足などで十分に練習できなかったり、指導者不在のクラブだったり、様々なマイナス要因の中でバスケができなかった子の中に、もしかしたら磨けば光るダイヤの原石があったのかもしれません。子供を大切にする競技に、良い選手は集まるのではないでしょうか。ミニバスが子供本意の運営になっているのか、大人の思惑が先行しすぎていないのか、あらためて関係者に検証して頂きたいと思うものです。



 専門外のミニバスのことについて書き始め、バスケ協会のことにまで触れてしまいました。バスケ関係者に怒られてしまいそうです。全ては、子供たちがどうしてちゃんとした練習を経験できないのだろうか?という個人的な経験の中で生まれた疑問から考えはじめたことであります。いろいろ書いてしまいましたが、私の考えはいたって単純です。子供たちが、身近なクラブで、良いスポーツ経験ができることを願っております。

 子供は、自分の身近なところに良い環境のクラブがあって、充実した練習を楽しくできるのが理想だと思います。そのクラブは、単独校の中に限って考えられるべきものではないと思います。そして、それぞれの子供の立場や環境は違うということを考慮するべきだと思います。

 上記の一文が、私の考えです。それぞれの小学校に充実したクラブがあるのが理想だと思うのですが、児童数は少なく、指導者不足でもあります。単独校の枠組みでなくとも、学区を越えたクラブを維持する道もあるのではないでしょうか。学区よりも人間を信頼した運営が望まれると思うのです。バスケが好きで、子供にバスケの楽しさやスキルを伝えようとする人たちを信頼した枠組みが、実現することを願っております。エンデバープロジェクトと言う、立派な指針があるのですから、各クラブと連盟・協会が協力していけば、より良いクラブを作ることができるのではないでしょうか。学区に縛られなければならない理由は、何もないと私は思うのです。

 また、学区の枠を越えてと言っても、クラブの活動が学校の施設で行われることが多いことを考えると、学校との協力もあった方が、子供の環境が良くなることもあるのではないかと思われます。具体的な考えがまとまっているわけではないのですが、社会体育と学校体育はそれぞれがまったく違うものと考えるよりも、生涯スポーツの中で互いに協力しあえるものだと考えられるべきものだと思われます。子供の育ちのために、社会体育と学校体育をミックスしたような柔軟な形も想定されて良いのではないでしょうか。スポ少の自然な姿を、そこに見いだすことができるような気もするのですが・・・。

 




「最後に」
 さて、いろいろと書いてまいりましたが、全ては私の主観で書いていることです。

 ほぼ30年ぶりにスポ少やミニバスの世界に触れたのですが、現在のスポ少・ミニバスクラブの問題に直面するのが初めてだったので、適切な判断や行動を初期の段階で取ることができませんでした。そう言う自分への反省の思いもあります。ミニバスの運営状態などを把握して、ある程度自分の考えがまとまるまでに 3年近くかかりました。問題に直面した頃の私には、スポ少やミニバスについての情報も少なく、実際のところ調べてもなかなかわかりにくい世界でもありました。

 もしかしたら、私以外の人でもいろいろな疑問を持ち悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。その状況を耐えている人もいるかもしれません。耐えることが大切な場合もあると思われます。いろいろな判断には時間がかかりますし、何が適切な判断と行動なのかの答えは、簡単に出せる物ではありません。

 でも、子供にとっての不利益を、大人が我慢してしまっては良くない時もあるのではないかと、私は思っております。なぜなら、子供の判断力はまだ未熟ですし、何かを実行する力もまだまだ足りません。そして、子供の時間は瞬く間に過ぎ去ってしまいます。やはり大人が考えなんとかしなければならないことが、あるのだろうと思っております。

 私も含めて普通の親は、スポ少やミニバスの専門家ではありませんから、何が何だかわからないことも多いのではないかと思います。判断したり気がついたりするのに時間がかかるのは当然のことだと思われます。そんなときに、ミニバス連盟やスポ少が、外から「顔」がよく見えるような、開かれた窓口を積極的に作ってくれたなら、また状況は違ってくると思うのです。

 開かれた明るいミニバスの世界であって欲しいと願っております。そして、制度には改善を試みるべき点があると思われます。主人公である子供たちのために、もっともっとすばらしいミニバスの世界を実現して見せて欲しいと思うのです。単独校にとらわれないのが、この時代の流れでもありましょう。現在の状況をベースにして、複数学区が混ざることや入部する側の選択の自由を認める方向に動くだけでも、ずいぶん状況は変わっていく可能性があると思うのです。

 スポ少・ミニバスクラブには、充実したすばらしいクラブがたくさんあることを私は承知しております。ミニ連の方々が尊いボランティア精神を発揮して、長年ミニバスの世界の運営をされていることも承知しております。頭が下がる思いです。この文章は、たまたま私が経験した事の中から考えた事を書いたものであり、決してミニバスの世界を否定的に書こうとしたものではありません。私たちのように弱い立場の者は、混迷した状況に立たされる時があります。そこには制度の改革をはじめとした、バスケットボールの世界全体の救いの手が、当事者である子供たちのために必要なのではないかと言うことを申し上げたかったのです。

 親の一人として・社会人の一人として・昔ミニバスのお世話になって物事に楽しく集中し上達する喜びを学んだ一人として、自分の経験の中で考えたことを書いたものでございます。私はバスケの世界で生きている者ではありませんので、思ったことを書くだけで精一杯です。ですが縁あって触れることのあったこのバスケの世界が、ますます発展充実することを願っております。また、関係者の方々のさらなるご活躍を、心より祈念いたします。

 私の長い雑文をお読みくださって、ありがとうございました。

 
2007年01月18日
TUZIE
「追記」

 勢いにまかせて文章を書いて、データをアップロードしたものの、読み返してみると実際の自分の気持ちと文章のずれを感じてしまい、読み返すたびに何度も修正を加えました。一文字違うだけでも違ったニュアンスになり、文章を書くことの難しさを痛感しております。

 私の本業は革のクラフトマンでありまして、革の分野については地域に対する責任も多少はあります。また、ボランティア活動をするならば、革の技術・経験・知識を生かすことのできる、リハビリや特殊教育の分野が、自分の能力を最も有効に使うことができると思っております。

 体育とは縁の薄かった私が、ミニバスの制度について踏み込んで書くことには、自分でも多少の違和感は感じるのですが、素人の立場から書かれたまとまった文章をネット上でもあまり見かけることがないように思いましたので、自分の考えをまとめる形で書かせていただきました。

 あるミニバス連盟の公式HP内の掲示板で、単独校制度について意見を述べた人がおりました。その意見に対して、掲示板にその意見を書くことを非難して、意見があるならミニの指導者になって連盟の役員になって、それから会議にでも出て意見を言え・・・・、と言う書き込みがされたのを見たことがあります。掲示板にはあまり興味がないので、各地の連盟のHPを探しているうちに、たまたま見た事例なのですが、たいしたことを書いたわけではないのに、こんなことを言われるのかとびっくりしてしまいました。もちろん人の意見を押さえつけるための暴論ですが、匿名のネット上では珍しいことではないかもしれません。

 ミニバスに関わっている人は、連盟の内部の人以外にも、自分の意見を述べる権利はありますし、子供・親・クラブ運営者・指導者などの現場の人間の意見は大切なものだと思います。立場が違えば、同じ物事に対しての見方や感じ方が違いますし、いろいろな状況が存在するのですから、それぞれの立場で様々な意見があることは、とても正常なことだと思われます。

 私が書いた文章も、そんな数ある意見の中の一つと言うことになります。共感できる部分、そして共感できない部分、賛否の分かれるところがたくさんあると思われます。子供がたまたまミニバスのクラブに入った、通りすがりのような私が書いた文章を、ミニバスの関係者がご覧になれば不快に感じられる部分もあるかもしれません。しかし、私たちのような者が、ミニバスの世界のエンドユーザーであり当事者であると思うのです。

 ミニバスの世界がこのままの状態で良いとは私には思えませんでした。関係者の方々に知恵を出し合っていただいて、実効性のある話し合いや制度の改革が現実のものになることを、心から願っております。

「少し書き足し」
※本文などには書きませんでしたが、連盟の加盟規約や方針で明文化されていない部分に、小学校区に関わらない広域から児童が通う、私立や国立の小学校があります。現在の制度ではクリアになっていないようです。

※聞くところによると、秋田のミニバスケットボールの指導者の登録は年度ごとに行われ、年度の途中で変わることができないようです。この制度には不合理な部分がありそうです。年度の途中であっても、指導者の登録が変更できなければ、それは子供たちの不利益になります。実際の指導者が大会のベンチに入ることができないことになるようです。ミニバス連盟がチームの登録制度の基本としている学区制の中の小学校でも、年度の途中でクラスの担任が変わることはあります。最も大切なことは、子供たちにとって良いことは何かという価値観と理念だと思います。年度ごとの指導者の登録が絶対的なものとなり、途中で変更できない制度に、子供たちの立場に立った価値観と理念は感じられません。指導者の立場の強化のためにある制度ではないかと、疑ってしまいます。児童の立場に立った、柔軟な制度にするべきではないでしょうか。ミニバスケットボールは勝利至上主義の競技ではないのですから、もっとおおらかにできるはずです。指導者不足の現状から考えても、あまりにも固定的な制度はプラスにはならないと思われます。

※総合型地域スポーツクラブにも通じるようなバスケの地域クラブチームを想定した時に、私が大切だと思うのは、正式な規格のコートです。小学校のバスケコートは授業用でとても狭かったり、あるいは壁がものすごく近かったりするのですが、それではミニバスの練習にも十分ではありませんし、小学生以外のクラブチームがそこで練習をすることができません。地域の大人のクラブチームなどが活動できるハードであれば、そこではじめて複数のカテゴリの含まれるクラブチームの可能性が出てきますし、カテゴリ間の交流・地域からの専門指導者の確保などにもつながると思うのです。地域のクラブを考えた時に、小学校のコートは最も利用できる可能性のあるハードになると思うのです。小学校の体育館のコートを、フルサイズの規格で作ることができるように、バスケ協会が積極的に働きかけることはできないものでしょうか。サッカー協会が、全国に芝のグラウンドを作る運動を展開しているのと比べると、設置後の手入れの費用もかからないバスケのコートは、実現しやすいものだと思うのです。バスケの総合的な地域クラブチームのビジョンを描くためにも、基礎となるハードの整備にバスケ協会が積極的に取り組んではいかがなものでしょうか。素人の私の空想のようなものかもしれませんが、小学校の中途半端なコートを見るたびに、もったいないと思ってしまうのであります。




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