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TUZIE-2杯目の珈琲
−珈琲を飲みながらときどき書く雑記です−



2013年10月03日(木)
「手仕事File:家具工房 杢」



  秋田タウン情報10月号の「秋田手仕事File」に、家具工房杢の杉山さんの記事を書かせていただきました。手仕事の高度な技術で家具を製作する工房です。

 写真は、取材に伺った頃に製作されていた、座面の低い椅子です。注文製作の椅子で、設計士のデザインを基に、杉山さんが強度なども考慮して実用的な形にまとめたものです。奥が試作版で、手前が製品版です。



  こちらも試作品と言いますか、ミニチュアサイズのモデルです。記事にも書いたのですが、このあと何と実物大の試作が作られます。そこでデザインや寸法の最終的な確認をして、本番の製作という事でした。なんともすごい仕事です。実物大の試作も拝見しましたが、足の曲線が美しいテーブルでした。直線と曲線を正確に自由に形作ることのできる、杉山さんの技術と感覚が現れている作品です。


  細部も美しく使いやすい造形です。こういった部品作りは、手間のかかる仕事です。塗りは奥様の担当ですが、こういった細かい細工のところは塗りの際にも気を使う部分だと思います。大きな家具を塗るために専用に作られた漆塗りの部屋がありまして、そこで湿度や室温を調整した上で、丁寧な作業が行われています。



  これは仕事場にあったルーターなのですが、私はこの形を初めて見ました。古いものらしいのですが、杉山さんは機械類はすべて自分でメンテナンスができるので、使いやすく整備されていました。おもしろい使い方のできるルーターとのことでした。仕事場の木工機械はたいへん充実しており、集塵装置完備でした。

 木材の乾燥室も2室用意されていて、いい仕事をするためにすべての段階で出来る限りの手を尽くすという姿勢がよくわかりました。材料の調達から始まって、完成までの多くの段階で吟味された家具。素晴らしいです。



  ところで、取材に伺った時に、まっさきに私の目に飛び込んできたのは、上の「鶴形牛」の看板。ステーキ屋さんもやっていらっしゃるのだろうか? 反射的に思い浮かんだのはそういう考えでした。あとで「牛肉を売っているのですか?」と質問したところ、「注文で作った看板だよ」との返事をいただきました。

 考えてみれば当然。そう考えるべきなのに、いきなりステーキを思い浮かべた自分が恥ずかしい・・。

 この看板は文字の部分が手彫りされていて、塗りも含めて多くの手間を掛けて作られた作品でした。






2013年08月30日(土)
「手仕事File:皆川アトリエ」



  秋田タウン情報9月号の「秋田手仕事File」に、秋田公立美術大学准教授で塑造を教えている、彫刻家の皆川さんの記事を書かせていただきました。様々な素材の作品を作られていますが、皆川さんの代名詞とも言えそうな野焼きのテラコッタ作品は実にかっこよくて、ずいぶん前からどんな人が作っているのだろうかと気になっておりました。お会いしてみると、とても気さくな方で楽しいお話をたくさん聞かせていただきました。彫刻が大好きという気持ちが、そのまま作品に現れている人でした。

 写真は、皆川さんの研究室にあった女性像です。等身大の女性像ですが書類などが映らないように下からのアングルで。10頭身体型のスラリとした美人で、なんと言いますか、心の中にある憧れの女性像を見るような、そんな感覚を覚えます。

 表現することの原体験を伺う中で、小学生の頃に銀河鉄道999が大好きで、オリジナルストーリーで大学ノート500ページも漫画を描いていたことを伺いました。皆川さんと私はほぼ同じ世代ですが、当時の私は登場人物のメーテルにラブでしたので、皆川さんもそうだったのかもしれません。皆川さんの作るメーテル像をぜひ見てみたいですね。後年その500ページの漫画は、銀河鉄道999作者の松本零士さんが増田の漫画美術館に来た時に、縁あって松本零士さんの目に触れることになったそうですよ。



  この写真は、美大の塑造室の一角です。皆川さんの制作の場のひとつです。完成した作品や、制作中の作品が並んでいます。石膏の型なども置かれていましたが、皆川さんが工夫された合理的な型の作り方があり、初めて見る彫刻の制作現場はとてもおもしろいものでした。

 おもしろ道具といえば、貝殻やクルミや石なども道具として使われていて、次々出てくる予想外の道具たちにも驚かされました。そういう驚きがあった時は、私は顔がゆるんじゃうんですよね。ニヤニヤと。


  こちらは、クルミの実を道具として使うとどうなるかという写真です。独特の表情ができるのですね。他にも巻貝を押し付けて作られた表情もあり、実におもしろかったです。縄文の土器や土偶に影響を受けたという皆川さんならではの、道具と表現法ですね。





 取材のすぐ後に、近くの美術館で開かれた彫刻展に展示されていた皆川さんの作品です。身長は190センチ以上でしょうか、堂々とした身体にふんどし。目には遮光器。手にはモリ。昔の人のようでありながら、現代人のようでもあり、存在感がすごいです。


  美大の研究室と塑造室、そしてご自宅と皆川さん個人のアトリエにお邪魔しましたが、どこに行っても彫刻作品があふれていました。彫刻を生み出し彫刻に囲まれて過ごす人生を送られているのだなと感じました。ご自宅にいても、少し時間ができるとすぐに彫刻を始めてしまいそうです。心から彫刻が好きなのですね。

 写真は、皆川さんのアトリエの一角です。たくさんの作品が写っていますが、これも一部で他にも様々な素材や作風の作品がありました。目の保養になりましたし、良い刺激をいただきました。


※皆川さんの個展が開催されます。

「皆川嘉博 個展 源流—オーロラの民—」
会 期:2013年9月2日(月)〜9月7日(土)
    AM11:00〜PM6:30(最終日PM5:00)
会 場:ギャラリーせいほう
    〒104-0061 東京都中央区銀座8-10-7
    ℡ 03−3573−2468 FAX 03−3573−5678
    http://gallery-seiho.com







2013年08月20日(火)
「古い作品、新しいカメラ」



 25年くらい前のカービング作品です。そこそこ大きな作品です。妻の実家に飾ってあるものですが、盆に撮影してきました。ちょうど新しいカメラを使い始めた日だったので、試し撮りも兼ねての撮影でしたが、アクリル板越しの撮影なので、ぼやっとした感じになってしまいました。

 ずいぶん前のものですが、記録の一つとしてウェブにも載せておこうと思います。


 こちらも新しいカメラでの試し撮りです。このサイトの表紙に使っているカービングと同じものですが、表紙の画像は仕上げ前、こちらは仕上げ後です。この画像は1200万画素で撮影したものですが、その一部分を等倍で切り出したのが次の画像です。


 480×360ピクセルの等倍切り出しですが、それなりの解像感があって、悪くない写りだと思います。機種名も含めて、そのうち新しいカメラの紹介もしてみたいと思います。


 そしてこの画像は、以前から使っているカメラの1000万画素で撮影した画像から等倍で切り出したものです。だいぶ違っているのがわかりますね。等倍で見ることはほとんど無いので、等倍での解像感を普段から求めているわけではないのですが、これだけ違うと、やはり解像感の高いほうが良いなと思います。

 この画像を撮影したカメラも、使いやすく高機能のカメラなので気に入っています。気軽に持ち歩いて撮影するなら、こちらのカメラです。






2013年07月28日(日)-8月4日に画像と文を追加-
「手仕事File:PAIL SHOP 桶屋」


へぎ重


盛器

  秋田タウン情報 8月号の「秋田手仕事File」に、PAIL SHOP 桶屋の清水さんの記事を書かせていただきました。清水さんの作る桶は、箍(たが)の無いデザインが特徴です。天然秋田杉製の桶製品は、すっきりしたフォルムとデザインの自由さが感じられます。そしてもうひとつ、「へぎ目」という独特の表現があります。上の2点の器の側面もへぎ目で仕上げられています。


 この画像は、フタの部分のアップですが、へぎ目の独特の凹凸がわかりやすいと思います。へぎ目はナタで割って作られるのですが、木工をやったことのある人ならば、それがどれだけ難しい技法か想像していただけるのではないかと思います。独特のへぎ目の表情と、磨かれた木目の表情のコントラストが、なんとも言えず美しいですね。


 桶作りは、小さな部材を組み合わせて、円や楕円の容器を作るために特化された技術ですが、若い人の中には、もしかしたら桶の構造を知らない人もいるかもしれません。仮組み用の針金の中に、部材を並べて形を作る様子ですが、これをご覧になれば、桶の構造がわかりますね。それぞれの部材のはぎ目の角度が正確に作られているのです。ちなみにこの画像の作品は、東京のエステサロンで使われる足湯桶の試作とのことでした。


  実は、私は子供の頃から桶が形になるのが不思議でなりませんでした。だって、細い棒が大きな桶になるのですもの。角度を合わせるのも難しそうで・・・。そのことを話すと、清水さんが自作の木製コンパスで製図してくださって、基本的な考え方を教えてくださいました。なるほど!!

 自分でできるかと言えば、おそらくできないだろうと思いますが、子供の頃からの謎が少し解けてうれしかったです。


  桶作りに欠かせないのが、曲面を削る道具です。何丁もの特殊な鉋が使われていました。同じ曲面を削るにしても、荒・中・仕上げと3丁の鉋が必要な場合もあり、道具の仕立てだけでもかなりの手間がかかりそうです。センなども使われますし、道具の使い方や手入れ法について、詳しくお尋ねできればよかったのですが、今回はゆっくりとお話を伺うことができませんでした。また機会があればいろいろ教えていただきたいと思います。


 仕事場はとても素敵な建物でした。その壁に大きな桶が掛けられていました。その場では、この大きな作品について教えていただかずに帰ってきてしまったので、後日電話でお尋ねしたところ、これはテーブルの試作品なのだそうです。直径は約85センチ。大きいですね。

 清水さんは、コップやお重や水差しなど、様々なものを製作されていますが、下の写真のようなスツールなどのインテリアも製作されています。桶の技法は応用の幅が広く、いろいろな物を作ることができるのですね!!


スツールの穴の中、何が入っているかな?






2013年07月19日(金)
「編み目模様のカービング」


 網代編みと言われる編み方の模様のカービングです。網代編みは、日本の伝統的な製品ですと、竹かごなどに見られる編み方です。革紐の編みなどでも同様の編み目がありますが、革紐の編みが得意ではない私にとっては、竹かごなどのほうが身近な存在です。

 レザークラフトの世界では、近年になり急に見かけることが多くなったように思っていたのですが、アメリカ在住の David Kawamura さんが2010年に網代編みのパターンとカービング法を公開してくださってから、それを見て取り組む人が増えたという経緯があるそうです。

 私も David Kawamura さんの真似をさせていただいて、網代編みのカービングをしてみました。ベルトに彫ってみましたが、なかなか良い雰囲気に仕上がったと思っています。写真は、下辺あたりがちょっと傾いてしまって格好悪いですが、実物はけっこう存在感があり良い感じなのです。参考にさせていただいたDavid Kawamura さんのブログはこちら。そして ホームページはこちら。

 単なる真似だけに終わらないようにしたいと思い、自分なりにパターンや工法を考えてみましたが、いくつか発見もあり楽しかったです。刻印も何本か作ってみましたが、ちょっとしたことでずいぶん表情が変わり、やはりおもしろかったです。

 とても合理的に考えられたカービング法で、しかも存在感のある表現ができます。こういうデザインと工法を公開していただいたおかげで、また一つカービングの世界の幅が広がったように思います。


 マクロレンズを付けて、一眼レフで撮影してみた写真ですが、大きく写すと粗も目立ってしまいます。でも、肉眼で見るのとはまた違った見え方がして、おもしろいですね。

 実は、カービングの写真が上手に撮影出来なくて、少々悩んでいます。現在使っているコンデジでは解像感がよくなくて性能不足です。かと言って、一眼レフではそれなりに準備して写さないとまともな画にはならずで、気軽に簡単にそれなりにという私の希望を満たしてはくれません。古いデジタル一眼なので、最新のものよりも少々気難しい所もあるのかもしれません。

 それで、最近性能の良くなってきている、高級コンパクトカメラの中から、何か良い物はないかと検討してみたのですが、最も興味を持ったのはペンタックスのMX−1という機種でした。市場ではいまひとつ人気がなさそうな気配なのですが、たぶん真面目にいい感じに仕上がっているカメラだと思うのです。でも、残念なことに、秋田には実機が一台も無かったのです。

 とある電気店のカメラ売り場の担当者が、秋田県内には置いている店がないはずだと言うので、ペンタックスに問い合わせてみたのですが、本当に秋田では取り扱っているお店が一軒もないという返答が来まして、がっかりしたのであります。少々重いけど、良いカメラなはずなんだけどなー・・・。

 自分の用途にはぴったりかなと思った機種なので、そのうち実機に触れる機会をつくってみたいと思っています。






2013年07月04日(木)
「サム工房の手仕事展:花巻温泉」


 サム工房の手仕事展が、花巻温泉のココ・デ・アエールという会場で行われます。21年前に行われた花巻温泉での展示会の時は、私も設置の手伝いに一緒に行きました。懐かしい!

 いろいろな表情の作品で楽しい展示会ですので、ぜひ足をお運びください。






2013年07月01日(月)
「表紙のカービング変更」


 表紙のカービング画像を変えました。カービングしただけの、仕上げをする前の状態です。毎度のことながら、写真が上手に撮れなくて苦戦します。撮影の技術も無いのですが、カメラも今ひとつなのかもしれません。






2013年06月26日(水)
「手仕事File:布川刃物製作所」


  秋田タウン情報の7月号の「秋田手仕事File」に、布川刃物製作所の布川さんの記事を書かせていただきました。久しぶりに仕事場をたずねましたが、手がける製品の種類がますます増えていて、専門性の高い道具類が多いようでした。仕事場は、精度の高い仕事をするための工夫がこらされていて、いい刺激をいただいてきてきました。

 上の写真は、2台のスプリングハンマーと手前は手打ちをする金敷とハンマーです。写真には写っていませんが、スプリングハンマーの向かい側に、炭やコークスを焚く火床(ほど)があります。


  伺ったその日は、特殊な用途に使われる、ツルハシのような形状の道具の修繕を行なっていらっしゃいました。短くなった先端を熱して叩き成形し、長く伸ばし尖らせるという作業で、鉄がみるみる伸びるのが何だか不思議でした。写真の右端が修繕前の状態です。加工の済んだ物にはすでに熱した赤みはありませんが、冷めたような色の状態になっても、600度以上の熱を持っていることがあるそうです。鍛冶屋さんの仕事場を訪ねた時には、作業中の鉄には絶対に手を触れてはいけないのですね。


  今まで、なぜか見逃していた道具なのですが、このような万力があります。なんとも合理的な作りで使いやすそうな万力です。どうやら鍛冶屋さんでは定番的な万力なのですが、他の分野ではあまり見ることが無いですよね。脚部分に板バネが付いておりまして、口の開閉に遊びが無いので、思ったとおりに対象物の固定の動作ができます。また脚を土台にしっかりと固定しているので、叩く作業などでも力が逃げない構造なのです。

 国内では、現在は製作も販売もされていない道具のようです。最初は名称もわからなかったのですが、縦型万力とか縦万力という名称で検索できました。海外では製作も販売もされていて、販売サイトなどを見ると「Blacksmith Leg Vise」というような表記になっているようです。「鍛冶屋の脚付き万力」。鍛冶屋さん特有の道具なのでしょうね。

 うちでは置く場所もこれといった使いみちも無いけれど、なんだかとっても欲しい!!と思ってしまいます。


  取材に伺った時には、一番大事な道具は何ですか?と質問するのですが、布川さんの答えはこのハンマーと金敷でした。仕事での使用頻度も多く、お師匠さんから譲り受けたものだそうです。この大切な道具を使わせていただいて、釘作りを体験させていただきました。指の形にすり減った木柄を握ると、ずっしりと重く私がふだん使うハンマー類の何倍もの重さがありました。布川さんが修行で最初に行ったのがこの釘づくりで、布川さんが叩くと手早く釘の形になっていきますが、私がやると、なかなか形になりません。ただ叩くだけでは釘の形に細く鋭く伸びてはくれず、直角に交互に叩いていかないと行けないのですが、それがとっても難しいのです。

 鉄は熱いうちに打つわけですが、打つと鉄の温度が上がるため、ただやみくもに打つのも良くないそうです。温度と形を整える熟練の技術と感覚が必要なのですね。「鉄は熱いうちに打て」とは、人材育成のような場面で使われることのある言葉ですが、ただ熱いうちに打つだけではダメなのだなと、本当の鍛冶の仕事で納得させられました。

 おじゃましている間にも、仕上がった包丁を取りに来る方や、道具の製作や修繕の依頼に来る方が訪れて、地元の鍛冶屋さんとしても地域に溶け込んでいる様子がよくわかりました。私もペティナイフを1丁お願いしているので、仕上がるのが楽しみです。






2013年06月21日(金)
「KEN弦楽器工房の個展」


 KEN弦楽器工房の斉藤さんの個展が秋田市大町ののココラボで行われています。案内はこちら。  繊細で美しい手作りのバロックギターや19世紀ギターが展示されています。


 オリジナルのギターが作られた時代や作り手によって特徴的な意匠や構造があって、それを再現し作成されているギターです。会場では斉藤さんが詳しく説明して下さいますし、見るだけでも目の保養になる美しい作品ばかりです。ぜひ足をお運びください。

【 KEN弦楽器工房 展 】
 会期:6月21日(金)-  6月23日(日)
 時間:11:00 – 19:00 (最終日 17:00まで)






2013年06月15日(土)
「多機能打ち台:クラフト社の改良版」


 金具の打ち台にはいくつかの種類がありますが、各社から角型の多機能な金具打ち台が販売されております。ほとんど同じような材料と同じような加工法で作られているように見えるのですが、それぞれ仕上がりには違いがあります。

 その中で、クラフト社の多機能打ち台が改良されました。以前の製品は、打ち台のカップと金具の形状が合わず、金具が変形して美観を損ねてしまうことがあったのですが、今回の改良版はそういった欠点が改善され、きれいに金具を打つことができるようになっています。詳しく検証された結果を、クラムさんがブログで紹介してくださっていて、たいへん参考になります。クラムさんのブログの打ち台の紹介ページはこちらです。

 クラフト社のカシメの打ち棒も今回は試してみました。ここ10年くらいは使ったことが無かったので、久しぶりでしたが、カシメの打ち棒も精度良く仕上がっており、金具に変形は起こりませんでした。

 以前は、各社共に首を傾げたくなる製品がいくつかありましたが、最近は精度の高い製品が増えてきて、ようやく金具打ちに不都合が無くなって来ました。でも、今回のクラフト社の打ち台も含めて各社の打ち台に共通して言えることですが、素地の仕上げやメッキはあまり良いものではありません。もう少し良い肌になってくれるとありがたいですね。

 それから、角型の多機能な打ち台は、もう少し可愛げのあるフォルムになってほしいです。角張り過ぎなような気がしますが、いかがでしょうか。もしも、打ち台を落として角が足に当たったら、かなり痛そうですし、かわして足に当たらない場合は、そのかわりに床がかなりへこみそうです。機能を損なわずに、丸くすると可愛らしくなる4辺がありますので、ほんの少し丸くするだけで、ずいぶん印象が変わりそうです。でも、予算の都合があるのかもしれませんね。

 さて、画像はクラフト社の改良版の多機能打ち台と、おまけに写っているのは、私が使っている金具打ち用のステンレス板です。厚さは5ミリ。けっこう便利に使うことができます。個人的には、必需品です。






2013年06月09日(日)
「小さなほうき」


  手箒と言えば良いのか、小さなほうきが昔から好きで、身近に置いておくとなんとなく安心感があります。何本かが古くなり痛んできたので、自分で作ろうと思って昨年から材料だけ用意してありました。材料と言っても、安いほうきをばらしておいただけなのですが・・・。

 材料を用意してから半年くらい経ち、先月あたりにようやく作りました。ただ麻糸でぐるぐる巻きにしたような簡単なものですが、糸を強く締めるための道具を作り、それなりに硬く巻いてあります。麻糸にはシェラックを塗りました。端は革をかぶせて革ひもで留めています。

 雑な仕上がりではあるのですが、自分用には十分です。
 新しい手箒を作業台の近くにぶら下げて、ちょっと新鮮な気持ちになりました。






2013年06月02日(日)
「つり銭皿」


  5月の連休明けから使い始めたつり銭皿です。小銭を取りやすいように、クッション入りのふかふかの底にしてみました。予定通り、小銭は取りやすくなりましたが、右の黒い方はだいぶ改善の余地ありでした。どちらも構造と寸法と工程に不都合があって、成形が今ひとつです。単純な小物も難しいものですね。

 頭の中では改良した物ができているので、そのうち完成形にしたいと思っています。






2013年05月26日(日)
「手仕事File:サム工房」


  あきたタウン情報の6月号の「秋田手仕事File」にサム工房さんの記事を書かせていただきました。サム工房の勇さんは、私が革をはじめて間もない頃、はじめて出会った物づくりの人でした。私よりも少し年上で、いろいろなことを教えていただいてお世話になっている、頼りになる先輩です。

 上の写真は、昨年行われた個展の時の1枚です。優しげだけど力のある作品群で、いろいろな作品があって楽しかったです。7月には、花巻温泉でも個展の予定があります。


 勇さんに最も大切な道具は何ですか?とお尋ねした時のお答えが、タガネでした。自作のタガネが無数にありました。私も、自分にとっての一番大切な道具が刻印なので、同じだと思って、何だか嬉しい気持ちになりました。やっぱり、そうだよな!という感じです。


  象潟の仕事場にお邪魔した3月下旬に象潟港から撮影した写真です。海と漁船と鳥海山が一緒に収まる絶景スポットでした。象潟は空が広く高く感じられて、とても気持ちの良い所でした。こんな所に工房があったらいいなーと思いました。クラフト村みたいな物づくりの拠点が似合いそうな、のびのびした空気感のある土地でした。






2013年05月19日(日)
「TUZIEカップと言うらしい。ほっほっほっ(自己満の笑い)。」


  3月から4月にかけて、五城目の三温窯さんに何度かお邪魔しましたが、そのとき初めてロクロで成形させていただいたのが、左のぐい呑み2点です。ただ体験として土に触れさせていただいたつもりでしたが、それを三温窯さんが形を整えて焼いてくださっていました。ロクロは難しかったですが、いい体験をさせていただきました。自作のぐい呑みには、何だか愛着を感じますね。ふだんは酒をほとんど飲みませんが、この歳になって晩酌を始めようかと思っています。

 そして右側のカップ2点は、私がお願いして三温窯さんに作っていただいた大きめのコーヒーカップです。いわゆるマグカップですね。自分用でまず1つと思ってお願いしたのですが、製作途中を拝見したら何十個も作られていて、「ひぇ〜、俺は何個買えばいいんだろう!?」と内心ビビっておりました。

 でも、実際にはある程度は個数を抑えて焼いてくださっていて、焼きあがった物を見て私は心の中でほっとしたのでした。そして、うれしいことに三温窯さんのブログによると、早々に売り切れとなったそうです。しかもこのマグカップは、三温窯さんのご家庭で「TUZIEカップ」と言われているとのことでした。その記事を読んでニヤニヤしながら「TUZIEカップ」で飲む珈琲は、いつにも増してうまかった!! -三温窯さんのブログの記事へ-

 うれしかったので、1日に2つ記事を書いてしまいました。






2013年05月19日(日)
「石像のヒゲ」


  歩いて数分の「なかいち」という所に設置された与次郎という名のキツネキャラの石像です。ヒゲが折られたというので、4月下旬から5月上旬にかけて大げさに報道されていました。折れて当然の樹脂製の弱々しいヒゲがつけられていたので、騒ぎになった事自体が恥ずかしいなと思って見ていたのですが、最新の状態が上記の写真です。

 このヒゲは3番目のヒゲです。最初は簡単に壊れる樹脂製のピンとしたヒゲでした。2番目はゴム引きの針金という感じの素材で、最初見た時の印象はヒゲがよれよれのネズミという感じでした。それは壊れたわけではありませんでしたが、今は3番目のヒゲとして2番目のヒゲよりはやや太めのゴム引きの針金という感じの物が付いています。写真でもわかると思いますが、角度や形状はちょっと触ると簡単に変わります。引っ張ると抜けそうな気もします。

 もっと収まりのいい改造を期待していたのですが、どうもよくわからない方向で手を加えられていくようです。


  ヒゲの取り付け箇所は、このように汚くなっています。何だかとてもガッカリ感があります。作った石屋さんがこのような状態を望むということはないと思うのですが、この細いヒゲの仕様になってしまったのはどうしてなのでしょう。製作や設置に関わった方々の中で、このような仕様を望む声があったのかもしれないですね。

 関係した皆さんは、それぞれ良いものをという気持ちを持っていたと思いますが、石像でこのようなヒゲを取り付ける例はほとんど無いようです。私がいろいろな単語で検索してみた限りでは、他に例を見つけることはできませんでした。ほとんどの場合は彫りで表現されているようですが、中には石の接着か埋め込みで表現された物がありました。与次郎石像のヒゲは、ある意味では、画期的で勇気ある失敗例と言えるかもしれませんが・・・。

 やはり石像の作りとしては、とても変わったことをしてしまったのではないかと思います。石素材にも基本となる加工法や表現があると思いますので、石の原点に戻ってもう少し考えていただいたほうが良さそうに思います。彫りや埋め込みなどの方法で、石像としてもっと格の高い仕上がりになるのではないでしょうか。関係者の皆様には、勇気ある改造をお願いしたいです。

 「なかいち」というこの区域の何かを象徴しているようで、与次郎石像の現在のまとまりのない顔はあまり見たくないのですが、近所に住んでいるので石像の前を通る機会が少なからずあります。せめて石像はちゃんとしてほしいです。






2013年05月07日(火)
「本池秀夫 革の世界展」


 山形県酒田市の酒田市美術館で行われている「本池秀夫革の世界展」に行ってきました。上の画像は展示会の入場券とグッズ売り場で購入したファイルとポストカードです。右下の白黒のポストカードについてはのちほど。

 酒田市美術館での「本池秀夫革の世界展」は、展示作品の数・内容ともにとても充実していました。書籍などで目にしてきた作品を目の前で見ることができます。多くの作品は360度どの方向からも見ることができるように展示されていますので、細部にわたって作りこまれた作品を存分に鑑賞することができます。

 6月2日まで会期中は無休で行われている展示会ですので、ぜひ足をお運び下さい。周囲の環境も含めて、気持ちの良い設計の美術館ですので、本池さんの作品を堪能しながらゆっくりとした時間を過ごすことができますよ。本池さんの作品の数々は本当に素晴らしいです。

 そして、写真右下の白黒のポストカードは、土門拳記念館で購入した物です。記念館に展示された大きな写真からは、いろいろなことが感じられました。展示内容も素晴らしいですし、勅使河原宏設計の庭園やイサムノグチの彫刻が建物に組み込まれていて、記念館自体も一つの作品のようでした。土門拳記念館は酒田市美術館のすぐ近くにありますので、「本池秀夫 革の世界展」と続けて鑑賞するのもおすすめです。

 どちらの展示からも物語を感じることができます。物語を感じる旅。いかがですか。






2013年04月26日(金)
「手仕事File:三温窯:工房展も開催」


  あきたタウン情報の5月号の「秋田手仕事File」に、三温窯さんのことを書かせていただきました。今月行われた登り窯の窯焚きにも初めて参加して、薪をくべる体験もさせていただいたのですが、くべた瞬間に赤松の薪が燃え上がり、薪を持つ革手袋からは煙が出るので、初めての私は少々ビビりました。革でなければ燃え上がるか溶けてしまう高温なのですね。

 三温窯さんの登り窯は、自らの手で造った5層構造の登り窯です。写真ではわかりにくいですが、手前から「大口」「一の間」「二の間」「三の間」「捨て間」となっています。


  窯焚きのあと数日のあいだ窯を冷やしてから、4/15日に窯出しとなりました。これは、「一の間」を開けた時の写真です。いい感じに焼けています。窯の内側のレンガの壁が、窯焚きの炎と灰がかぶったことにより、表面に釉薬がかかったようなガラス質になっているのがわかるでしょうか。何度も窯焚きをするうちに、こうなるのですね。


  4/27〜5/6までのゴールデンウイーク期間中、三温窯さんでは工房展が行われます。4/15に窯出しした製品が展示販売されますので、ぜひ足をお運び下さい。気が付かない人もいるかもしれないので、無粋とは思いながらも、写真解説・・。上の写真のランプのカサも、今回登り窯で焼いた陶の製品です。

 私がお願いして作っていただいたコーヒーカップもできているはずなのですが、そのコーヒーカップの姿はまだ見ていません。工房展が楽しみです!

 様々な色や形の器が展示されますので、連休中は三温窯の工房展におでかけ下さい。五城目のイオンからそう遠くない場所ですので、わかりやすく行きやすいところです。

 会場:三温窯ギャラリー

 〒018-1723 秋田県五城目町上樋口字樽沢175 (県立野鳥の森入り口)
  ☎018-852-9028  営業時間9:00~18:00
  ホームページ http://sanongama.main.jp/


  さて、いろいろなところで使われている革ですが、三温窯さんでも使われておりました。ロクロの側の水を張った桶の縁に、糸ともうひとつ泥色の何かが置かれていますね。そう、これが革です。ロクロ成形で製品の口元を仕上げる時に、鹿革が使われているのです。三温窯さんの器の縁のまろやかな造形がとても好きなのですが、その仕上げに鹿革が使われていて、何だかうれしかったです。


  最後の写真は、大口の中で焼き締めの器を載せていた台です。貝がなぜあるかというと、貝の上に器を置いて焼いたからなのです。貝の周りには、灰がかかって自然の釉薬となり白や緑のガラス質の膜ができていました。まるで七宝の作品のようで、きれいでした。器に掛けられている釉薬も植物の灰から作られた物が多くあるそうです。熱と灰でガラス質になるなんて、本当に不思議ですね。






2013年04月24日(月)
「桜とリス」


  近所の市立図書館「明徳館」の入り口の桜です。24日の朝、全体的にはまだつぼみでしたが、少し開いてきた花がありました。千秋公園の付近では、ここの桜が一番早いので、公園全体がまだまだと言った感じです。土も痩せて半分枯れかけているような桜が多いので、花も緑もこれからのこの季節の千秋公園は痛ましいところがあるのですが、それでも花を付ける桜はある意味すごいと、毎年のように思います。


  こちらは、本当に久しぶりに千秋公園で出会ったリスです。「キキキキキッ」と鳥が鳴いたと思って鳴き声がした方を見ると、そこにリスがいました。リスの姿を久しぶりに見ることができて、何だかうれしくなりました。じっとして全く動かなかったので、写真を撮ることができました。緑の葉が茂ると、この姿を見るのは難しくなりそうですね。






2013年04月22日(月)
「ペンケースみたいですが・・・」


 ペンケースのように見えますが、ペンケースよりはだいぶ大きな物です。長さは40センチ以上あります。これが何かと言いますと、指揮棒のケースです。こんなデザインでという依頼で作りました。


 開くとこのような感じで、指揮棒が3〜4本程度はいる大きさです。内貼りはスエードにしました。指揮棒という物を初めて買ってみましたが、長さにも種類があり、またハンドルの形状にもいくつか種類がありました。手に持って振ってみると、なんだか気持ちが良いものでした。






2013年04月10日(水)
「透明とか無色にもいろいろあるようで」


 レザーコートという仕上げ剤と、イリスというコバ塗り剤の無色タイプを、乾燥させた物の写真です。レザーコートは無色透明。イリスは想像していた以上の乳白色でした。触ったり伸ばしたりした感じにも違いがあります。

 どちらも透明なものとして普段は扱っていましたが、実はずいぶん違いのあるものでした。
 (成分や用途が違うので違って当たり前ではありますが・・・。)






2013年04月03日(水)
「2杯目の珈琲」

 2010年から「TUZIE-珈琲を一杯」 というブログを書いておりましたが、同様の読み物欄を、サイトのトップページに設けることにしました。で、タイトルは「TUZIE-2杯目の珈琲」です。

 いままで書いてきた読み物ページの記録は、時系列に並べるだけですが、左欄の「TUZIE-書庫」にまとめることにしました。書庫というほどの文章量は無いのですが、この欄の文も少しずつ加わり量が増えていく予定です。

 初回の記事としては、ブログ「TUZIE-珈琲を一杯」の最後の記事となった、2013年3月28日付けの「KEN弦楽器工房」さんの記事を転載することにいたしました。仔牛の生皮製の立体ロゼッタは、レザークラフトの世界の人にも必見のものだと思います。

 以下、ブログより転載です。



  「あきたタウン情報」 という地元の情報誌に、物作りの人を取材した「秋田手仕事File」という記事を何回か書くことになり、3月下旬に発売された4月号から掲載されております。こういった本作りの世界と接するのは始めてですが、取材させてくださる方と、カメラマンと編集者と私と、みんなの合作でできていくものなのだなーと感じております。

 様々な素材の物作りの人たちから、たくさんのことを教わりながら書かせていただくことになると思います。見開き2ページに写真と文章が掲載されておりますので、機会がございましたら、ぜひご覧ください。

 さて、第1回の記事に登場していただいたのは、KEN弦楽器工房の斉藤さんです。この画像は斉藤さんが製作されたバロックギターのサウンドホール部分を写したものです。きれいな模様の何かがサウンドホールの中にありますが、何だかわかりますか?

 立体ロゼッタという名称の部品で、装飾と音の調整の役割があります。実は、仔牛の生皮でできています。羊皮紙というのがありますが、それの仔牛版でヴェラムと言う素材になります。日本では羊皮紙という単語が使われますが、「生皮紙」という言い方にすれば、原皮の種類も選ばないわかりやすい言葉になったかもしれませんね。

 この精密な立体ロゼッタを初めて見た時、自分ではこの加工ができる気は全くしませんでした。今も、自分にはできないと思っています。ものすごく細密で、これをほとんどカッターを使って切っているというのですから、それはもう驚きです。作者のカッティングや切り合わせの技術と感覚が、常人の域を越えてすごいのだと思います。

 私もそうでしたが、革の世界にいる人でも、ほとんどの方は見たことも聞いたこともない作品だと思います。皮でこんな繊細なものが作られているのを知ることができるだけでも、何だかうれしい気持ちになります。

 日本のレザークラフトの中の生皮工芸とは、また一味違った表現の世界が感じられます。古楽器の再現作品の中でのパーツの一つですが、昔の工人はやはりすごかったのですね。(それを再現する現代人もすごいです!)

 KEN弦楽器工房の仕事場で撮影させていただいた画像をもう一枚。このダイヤルシックネスゲージはとても大きくて、私が持っている物と比べると、倍以上のボリューム感がありました。スタンド付きというのも良いですね。絵になる道具でした。

 KEN弦楽器工房の斉藤さんについてのもっと詳しい情報は、タウン情報の「秋田手仕事File」でご覧ください。と書きながら、このブログの右欄のブログリンクの「Luthier日記」は斉藤さんのブログです。毎日更新中。ブログからホームページにも移動できます。

 (「Luthier日記」はこちら)

 6/21〜6/23には秋田市大町ココラボラトリーで、個展も開催されます!!




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