クラフトマン辻永の身近にいる物作りに携わる人たちの紹介です。おもに2003年ころに書いた記事です。
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金工:佐々木勇
(サム工房)

サム工房作品
サム工房作品 サム工房作品 サム工房作品
 「あのフクロウさんの工房!」と言われる勇さんのサム工房。かわいいフクロウのモチーフの作品がたくさんあります。フクロウのパネル・照明・郵便入れなどなど。

 工房の裏手の公園では、夜になると「ホー、ホー」と、フクロウが鳴いています。

 勇さんのフクロウのモチーフを気に入って、アクセサリー・インテリア・表札や看板など、フクロウのモチーフ入りの作品を注文される人もしばしばいらっしゃるようですよ。

 仕事で使用する素材は、銅と鉄が中心です。銅の打ち出し・鍛金や鉄の造形などで、生活の中で使うことのできる金属器を作製したり、大がかりな壁面装飾の仕事などもされています。仕事の範囲が多岐にわたっているので、何を取り上げればいいのか、正直言って迷ってしまいます。

 それから、デザイン・製作・施工取り付けまで、ほとんど一人でこなしてしまいます。その作業に見合った機材も用意されていますが、何よりもそれをやってしまうパワーがすごいです。

 作品には、かなりボリューム感のある厚手の素材を使用した大きな物も多いので、これをたたき出すには、いったいどれくらいの力で何万回素材を叩いているのか、想像しただけで気が遠くなります。

 金属という素材を使い、叩くという動作を繰り返しながら、温かみのある造形を作り出していくのですね。


 サム工房では、彫金教室も行っています。銀・金などの地金から作品を製作します。また、石の研磨などもできます。アクセサリー作りを中心としながら、銅の打ち出しなども経験できるようですよ。彫金をやってみたいという方にお勧めします。


sam
 勇さんと初めてお会いしたのは1984年頃だったと記憶しています。それ以来、金工はもちろん木工もこなす物作りの先輩として、勇さんからはいろいろなことを教わってきました。

 小さなアクセサリーから、鍛金の器・鉄のオブジェ・銅の照明、あるいは門・フェンス・壁面装飾・学校の校章など、仕事の守備範囲も広く、取り付け施工までほとんど自分でこなしてしまいます。自分でできることは、とにかく自分でやってしまう人なんですね。

 私も、見習おうとは思ってきたのですが、なかなか勇さんのようにはできません。格好から入ろうと思い、勇さんのいつもの作業姿であるバンダナと黒いつなぎを、私も真似したことがあるのですが、私の胴が長いせいか肩が凝ってがまんできなかったということがありました。

 もちろん、私の作業能力は向上せずでした。格好から入っても、ダメなものはダメという見本です。

 写真では、小さな作品を作っていらっしゃいますが、写真の場所はアクセサリー作りや教室を行っている工房です。大きな作品を作る時には、大きな作品用の広い作業場で仕事をされています。

 勇さんの作品作りは、ほんとうに体力の必要な仕事だと思います。銅や鉄を自分の思うままに造形していくための感覚・技術・そしてパワー。勇さんのフクロウはとても優しくかわいらしいけれど、それを作り出す時のパワーはものすごいものがあります。

 そして、いろいろな素材に対する広い知識と経験。時間をかけて積み重ねてきたものが、勇さんの中には詰まっているようです。そこからどんな物が創り出されていくのか、楽しみです。 


サム工房作品

画像:佐々木   文章:辻永
画像に関わる権利は、サム工房・佐々木氏に帰属します。

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