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TY-幅決めスケール

 幅決めスケールは、レザークラフトに使われる各種の工具の幅の調節を、手軽に正確に行うための道具です。0.25ミリ間隔で縁からの幅が変わる穴により微調整が可能で、毎回同じ幅の設定を簡単に行うことができます。

【幅決めスケールの基本的なデザイン】

 幅決めスケールの全体画像です。デザインして完成するまでの間、見ただけで使い方がわかる道具だと自分では思っていたのですが、完成してから人に見せてわかったことは、見ただけでは使い方を理解していただけないということでした。でも、実際の使い方は簡単なので、基本的な構造を見てみましょう。


 右上の角を大きくして見てみると、このようになっています。角の大きめの穴は、壁掛け収納の時にフックにかけるための穴で、後に説明する革の土台を固定するためのカシメ用の穴でもあります。

 幅決めスケールには斜めに並んだ穴が多数開いていますが、この穴を道具の幅決めに使います。0.25・0.50・0.75という数字が見えますが、1穴ずれるごとにスケールの縁からの幅が0.25ミリ変わっていくように穴が開けられています。上から下まで1列に41個の穴がありますが、これは10ミリ幅を40等分にした穴なので、1穴ごとに0.25ミリずつ幅が変わるのです。

 0.25・0.50・0.75という数字が印刷されているのは10ミリの列ですから、右の縁からの実際の幅は10.25ミリ・10.50ミリ・10.75ミリ・11.00ミリ・・というように、この1列で縁からの幅が10ミリから20ミリまで0.25ミリずつ変わっていくことになります。


  図面で見たほうが穴の位置がわかりやすいのですが、スケールの右側の縁からの距離が最も短い穴で1.50ミリです。そこから順に1.50・1.75・2.00・2.25・2.50・2.75・3.00・3.25・3.50・・・と言った具合に、1穴ごとに.025ミリずつ縁からの距離の微調整ができるようになっています。主に、銀ペンホルダーとディバイダーで利用します。

 図面の左側には細長い穴が開けてありますが、この穴も0.25ミリずつ幅を調整できるようになっており、ネジ捻とステッチンググルーバーで使うことができるようになっています。

 このように、細かく開けた穴を利用して、道具の幅の設定を簡単にいつも一定にできるように考えてデザインされたのが幅決めスケールです。外形は70×110ミリになっており、オリジナル道具の一つのカード型円定規と同じ寸法になっています。


 幅決めスケールは、上の画像のような道具で利用する事ができます。複数の道具でいくつかの使い方ができるようにデザインされた道具ですので、実際の使い方を紹介してまいります。


【幅決めスケールの使い方:銀ペンホルダー】

 銀ペンホルダーを、縁から3ミリの位置で固定する時の画像です。銀ペンの先を、設定したい穴に合わせておいて、足がスケールの足に触れる位置で固定するだけの簡単操作です。銀ペンの先は穴にはまるというよりは、穴に乗せるという感じになるように穴のサイズを調整してあります。

 かなり正確な幅決めができると思いますが、道具や使い方によっては誤差が出る事もあるかと思います。その場合でも0.25ミリ間隔で補正が簡単にできるということですので、レザークラフト用途では十分な精度でお使いいただけると思います。

 画像の3の数字の隣に7の数字が逆さまに印刷されているのは、反対側の縁から幅を合わせるときに見るための数字ですが、後で具体例を紹介します。



 同じように銀ペンホルダーの幅を合わせている画像ですが、左右に倒して幅を決めることによって、足の長さの調整を行うことができます。足の長さの調整が必要な場合は、これが最も簡単な方法になります。

 銀ペンホルダーを、幅40ミリに合わせた状態の画像です。銀ペンホルダーの使い途としては広めの寸法ですが、狭い幅から広めの幅まで手軽に正確な幅の設定ができます。銀ペンホルダーは幅の微調整が行いにくい面があったので、幅決めスケールによって格段に使いやすくなります。合わせてお使いいただだくと作業がより快適にできるようになります。


【幅決めスケールの使い方:ディバイダー】

 もちろん、ディバイダーでも便利にお使いいただけます。画像では縁からの幅を0.5ミリに合わせています。先に設定したい寸法の穴に片方の足を差し入れておいて、縁にもう一方の足が触れるように合わせてお使いください。


 ディバイダーを、縁から50ミリの幅に合わせた様子です。右端からの幅決めの穴で最も広いのが、この50ミリ幅になります。


 今度は、幅決めスケールの上下を逆さまにして幅を61ミリに合わせている様子ですが、こちら向きで右の端から幅決めをすると、50ミリ以上の幅も可能になります。そのために、こちらの向きで50ミリ以上の幅になる穴には逆さに数字が印刷されているわけです。この向きでは、幅決め用の穴の幅は最大68.5ミリになります。


 ところで、ディバイダーは多くの場合は金工用に先端が加工されています。上の画像のように、鉄板に線を引くための道具として作られています。レザークラフト用に先端が加工された状態で販売されているディバイダーはほとんど無いと思われますので、そのまま使うと革に傷が付きやすいのではないかと思われます。

 市販の状態のディバイダーを、優しく使って細い線を引くようにして使うというのも聞いたことがありますが、あまり合理的な使い方だとも思えません。市販の状態と先端を加工した状態のディバイダーで、強く線を引いてみたのが上の画像です。左の革が切れてしまっているのが市販のディバイダーで引いた線で、右の凹んでいるのが加工したディバイダーで引いた線です。私は加工したディバイダーしか革には使いません。


 具体的に、どの程度形を変えるかというと、上の画像のようになります。左が市販のままの先端形状で、右が加工後の先端形状です。硬い鋼材なので、ここまで形を変えなくとも、先端とその周辺を少し丸く滑らかに削ってあげる程度でも良いのではないかと思います。革に傷がつきにくくなりますし、幅決めスケールを鋭い先端で傷つける事も少なくなると思います。ディバイダーの研磨をここで取り上げたのは、幅決めスケールも傷めないようにして使っていただきたいからです。

 道具に対する考え方は人それぞれですが、参考にしてください。



【幅決めスケールの使い方:長穴の使い方】

 今まで説明したのとは反対側の縁の近くには、長細い穴が開けられています。これはネジ捻やステッチンググルーバーで使うための穴です。1.5ミリ幅〜6.0ミリ幅まで、0.25ミリ間隔で調整できるようになっています。狭いデザインスペースに穴を開け印刷もするために、2列に分けて配置しました。1列で順に幅が変わる構成にはなっておりませんので、実物でご確認ください。印刷された数字で、すぐにわかるようになっています。

 上の画像ではネジ捻の幅決めに使っていますが、ネジ捻を上に向けて机の上に置き、ネジ捻の先に幅決めスケールを載せるようにして使うと、楽に操作ができます。


 ネジ捻を3.0ミリ幅に合わせた時の様子です。刃の開きを広めにしておいて、少しずつネジを回して狭くして、右側の刃がスケールの縁に触れた位置で止めるのが大切です。刃が触れた後も、ネジを回すことができる事が多いと思いますが、それだとスケールを離した時に幅が変わってしまいます。道具のしなりや遊びが影響するのだと思われます。


 ステッチンググルーバーの幅を合わせる場合は、スケールを立てて持ち、その正面からステッチンググルーバーの刃を細長い穴に合わせるようにして使います。刃は細長い穴に軽く載るような感じになりますので、ずれやすい状態ですが、慣れると問題なくお使いいただけると思います。刃の中心と穴の中心が合っていれば、幅は目盛り通りになるという考え方ですが、誤差が出るときには前後の穴を利用して幅を補正してお使いください。私の使っている道具では、ほぼ正確な幅になりますが、刃の形状の個体差や使い手のクセなども影響するかもしれません。

 私のステッチンググルーバーは、もともと少し改造しておりましたが、幅決めスケールを使うときに片手で操作しやすいように柄を短くしました。片手での扱いが楽になり、使いやすくなりました。


  刃をスライドさせる構造のステッチンググルーバーでも、もちろん使うことができます。ただし、刃と道具の形状の特性により、3ミリ以下の狭い幅では刃が安定しないかもしれません。ステッチンググルーバーで極端に狭い幅で溝を掘ることは無いと思いますので、実用上は問題ないと思われます。


  幅決めスケールの四隅の穴を利用して、革の土台にカシメで幅決めスケールを固定しました。これは、幅決めスケールを作業台の上に置いて、ネジ捻やステッチンググルーバーを実際に使う時のような状態にして、幅を決める作業を行う事ができるようにするためのものです。それで機能が特別に良くなるということはありませんが、使い方の自由度を高めるために、このような組み合わせも想定して幅決めスケールを作りました。








【幅決めスケールの使い方:樹脂板の追加】

 幅決めスケールの任意の基準となる位置に、樹脂の細板を貼り付けました。接着には両面テープを使っています。緑の樹脂板の両端に黒い丸が見えますが、隅の穴に両面テープの粘着面が露出された状態になるので、ハトメ抜きで抜いた革でふさいだものです。この樹脂板を接着したのは、銀ペンホルダーなどで型紙の外側に寸法を付け足す線を引くときなどに、幅を決めるための基準面に使うためです。実際に使う様子は、次の画像のようになります。


 型紙の外側5ミリの位置に線を引く事ができるように合わせた様子です。このようにして使うと、型紙などの外側に寸法を付け足すときに、寸法の補正などをする必要がなく道具の幅の設定を簡単に行うことができます。紹介した例では幅決めスケールの端に合わせて樹脂板を貼り付けていますが、これは使いやすい基準面ができる位置であれば、スケールの中程に貼り付けてもかまわないものです。

 外に寸法を付け足す使い方を行う頻度が高い場合や、使う道具の形状によっては、このようにしておくのも使いやすくするための一法です。

 ただし、これは必須の方法ではなくて、外に寸法を付け足す時に足の厚み分だけ寸法の補正をすれば、標準状態の幅決めスケールで問題なく使うことができる事が多いと思います。例えば、型紙の外に8ミリの幅を付け足したいという時に、使用する道具の足の厚みが1ミリだとすれば、その1ミリの補正をすればいいだけです。縁から7ミリの幅に設定して使えば、そこに足の厚み1ミリが加わって、型紙の外側8ミリの位置に線を引くことができるという事になります。0.25ミリ間隔で補正ができるので、ほとんどの場合は問題無くお使いいただけると思います。



【幅決めスケールの使い方:円の半径の設定】

 幅決めスケールには、0〜100ミリの目盛りの入っている部分があります。これは、ディバイダーやコンパスで円の半径を調整する時に利用するつもりで設けた部分です。もちろん、円の半径に限らず道具の足の開きの調整にお使いいただける目盛りですが、この道具を考えた時の想定では円の半径を決めるための部分でした。

 カービングデザインの基準円を描いたりするのにも、ちょうどいいかもしれないと思いながら、デザインを考えた部分です。


 目盛りは左右から印刷してありますので、0の位置は両端にありますが、この0の位置には穴が開けてあります。ディバイダーの足を穴に入れて固定する事ができるので、寸法を合わせるときにずれることがなくて、操作がしやすくなるのです。私自身は、とても気に入っていて、重宝しています。他のもっと長いスケールにも、同様の穴を開けて使っています。


 けっこういいお値段のコンパスで幅決めスケールを使ってみました。針の部分が段付きの繊細な形状になっている、高級仕様のものでしたが、穴との相性が悪くて繊細な針先が折れてしまいました。大ショックです。ただの真っ直ぐな針は問題ないと思いますが、製図用の高級コンパスはお使いにならないようにしてください。失敗の実例の紹介です。


 こちらは問題の無い使い方の一例です。建築用コンパスにシャーペンを取り付けて使用しています。建築コンパスは商品名ですが、ネジ式のディバイダーを改造したような道具です。様々な太さの筆記具を固定する事ができるので便利に使っています。大・小の大きさの違う二種類の建築用コンパスを使っていますが、この画像で使用しているのは小さな方です。






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