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TY-ぎんすり

 ぎんすりは、Lサイズのカッターの刃2片分を取り付けて、縁から一定の幅で革の表面を荒らすための道具です。革の表面を接着するときに欠かすことのできないこの作業を、簡単に安定して行うことができます。ぎんすりの機能を十分にお役立ていただくために、調整方法や実際の使い方を順を追って説明してまいります。

 主に革のぎん面に使用した画像を使い説明してまいりますが、床面を磨いて仕上げた面や、裏貼りの革の表面にも同様にお使いいただくことができます。

【ぎんすりの仕立て】

 ぎんすりにはネジが5本使われていますが、使用する際に実際に操作するネジは、横に3個並んだネジの両端の2つのネジのみです。このネジを操作して刃を取り付ける構造になっています。買ったままでも使えないことはありませんが、先端の形を加工してから使うのがおすすめです。格段に操作性が良くなります。


 左が初期状態で、右が丸みを付けて先端を削った仕立後の状態です。このように加工しておくと、ぎんすりを持つ角度の自由が効くようになりますので、使いやすくなります。



 実際に削っているところです。私の場合は耐水ペーパーの#120で削った後で、#1000で仕上げています。使用する道具にもその番手に決まりはありませんので、お好みで削ってください。画像では空研ぎしていますが、水を使った水研ぎをすると素材のガラスエポキシの粉が飛散することがないのでおすすめです。ガラスエポキシの粉が肌に付着するとかゆみが出る場合もありますので、ご注意ください。

 *ページの最後に加工上の注意を掲載しておりますのでご覧ください。



【刃の取り付け方】



 標準的なLサイズのカッターの刃の2片分を使いますので、刃を折って準備します。専用の刃折り器などを使ってもいいと思いますが、ペンチで刃をはさんで折っても良いでしょう。刃を出し過ぎないように、ちょうど折りたい部分がカッター本体の端に近い位置になるようにします。そして、ペンチも折りたい線の近くを挟むようにします。折り線の入っている反対側にあおると刃が折れますが、逆にあおると折れにくく危険ですので、正しい方向に力を加えてください。刃物を扱うときには、細心の注意を払って作業を行ってください。


 わかりやすいように、操作する2本のネジに赤いマジックで色を付けてみましたが、これは説明用に着色したもので、製品のネジには色は付いておりません。

 刃を取り付けるために、この2本のネジを軽くゆるめます。ゆるめすぎるとナットやネジが脱落する時もありますので、少し気をつけてください。3本並んだネジのうち、中央の1本は刃の位置を安定させるために取り付けているネジで、刃の固定には関わっていないので、操作するのは両端の2本だけです。

 ネジをゆるめた後、先端からカッターの刃を差し入れます。横からも差し入れることは可能ですが、使い始めの時には先端側からのほうが刃が入れやすくなっています。カッターの刃でケガをしないように気をつけてください。

 刃を取り付けたら、両端のネジをしっかりと締めてください。刃の出し加減で革の表面を荒らす幅が調整できます。革の厚みに合わせた高さ調整も必要ですので、試しながら最適な位置に刃を取り付けてください。

 画像では見やすいように手の位置を考えて持っているのですが、実際の作業では3本のネジよりも先端側の刃の固定部分を左手で挟むように力を入れて持って、位置を合わせた刃がずれないようにしてネジを閉め込む作業を行うのもおすすめです。




【ぎんすりの使い方】

 縁から等幅で革の表面を荒らすのが、ぎんすりの主な機能ですが、縁を削らずに少し内側だけを荒らす事もできますし、広い面をベタで荒らす事もできます。



 最も基本的な使い方です。刃をどの程度出すかによって幅が変わります。画像の広い方の幅は約6ミリ幅で荒らしたものです。幅の狭いほうは1ミリよりもわずかに広い程度です。狭めでも広めでも、安定して簡単に荒らす事が可能です。

 ぎんすりは、腰のあるヌメ系の革で快適に使うことのできる道具です。袋物用のように柔らかい革や、表面の塗装のあまりきついものでは、使いにくくなる場合があります。また、床を磨いて仕上げた面や裏用の革を貼った面にもお使いいただけますが、やはり繊維の締りがよくない場合には使いにくい事があります。これは、ぎんすりという道具の特性でありまして、どんな革にも適しているという万能の道具ではありませんが、レザークラフトで使われることの多い、上質なヌメ系の革などには適している道具です。






 刃物や道具加工に慣れている人以外は安易に行わないでいただきたいのですが、カッターの刃に手を加えて使うこともできます。上の画像では先端5ミリを残して、段を付けるように刃を削っています。右端の刃の先端の三角形に尖った部分も垂直に削りました。この刃を取り付けた状態と使い方は下記の通りになります。



 刃を加工したことで、革の縁から3ミリほどの幅は削られること無くそのままで、その内側を約5ミリ幅で荒らすことができます。このような使い方が必要になることは少ないかもしれませんが、使い方の一つの例です。







 刃全体をぎんすりの先端から出した状態で固定すると、広い幅をベタに荒らすこともできます。刃をしっかり固定して、使うときに力を入れ過ぎない限りは、この取り付け方で問題はありませんが、刃をこの位置で固定した場合の固定力はやや弱いものになります。お使いになる時には、力の加減に注意してください。


 ぎんすりの尖端を切断したこの形だと、刃の固定力は高くなります。固定用のネジの近くで刃が固定されるので、刃がしっかりと固定されます。






 最後の画像は、磨いた床面にぎんすりを使った様子です。このように、磨いた床面にもぎんすりを使うことができますし、裏貼りに革を貼った場合などにもお使いいただくことができます。やはり革質に使用感が左右されますので、必ず快適に使うことができるというわけではありませんが、革の表から裏まで使えそうなところでお試しいただければ、利用範囲も広がるものと思います。ご愛用ください。



【加工上の注意】
 ガラスエポキシは、硬度の高い素材ですので、あまり鋭く加工するとケガをする危険がありますので、注意してください。また、削った粉が肌に付くと、痒みを感じる事がまれにあります。これは、ガラス繊維が肌を刺激することによって起こるようですので、加工中は粉が飛散しないように注意してください。粉が肌につかなければ問題ありませんし、アレルギーではありませんので、肌に付いても洗い流せば問題ないそうです。敏感な方には、保護手袋の着用や、水研ぎ・水で洗い流しながらの加工をおすすめします。加工後は、作業した場所の清掃と石鹸での手洗いを十分に行ってください。

 エポキシ樹脂については、反応前の液状の接着剤などはアレルギー反応の原因になりやすい物質ですが、反応後の硬化した状態では、ほとんどアレルギー反応などは起こらないと考えられるそうです。でも、天然の漆などでも、塗りの硬化後の製品でも痒くなるという人も中にはいらっしゃるようですから、もしも異変を感じた時には加工を中止してください。

 私自身(辻永)は、過去にエポキシ接着剤で耳のあたりがかぶれた経験がありますが、ガラスエポキシの加工で痒みを感じたことは無く、身近な人でもガラスエポキシで痒みの出たことはありません。ぎんすりの加工で大きな影響が出ることは考えにくいのですが、上記のような素材の特性がありますので、敏感な方はご注意ください。








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